2015年3月31日火曜日

3月31日 2014年度病院前救急診療速報

2014年度の病院前救急診療のまとめを取り急ぎ報告します.

ドクターヘリ
 要請件数 1971件
 出動件数 1570件
 (現場 1106件 施設間搬送 53件 離陸後キャンセル 411件)

ドクターカー
 出動件数 1573件
 (現場 860件 出動後キャンセル 713件)


病院前救急診療の出動件数はヘリ,カーを合わせて“3143件”.今年度も安全にかつ有効に活用していただき,救命率向上と後遺症軽減にお役に立つことが出来ました.今年度も関係者の皆様の絶大なるご支援,ご協力,ご理解に感謝申し上げます.アンダートリアージ0を目指し,また,さらなる質の向上を目指し来年度も邁進いたします.よろしくお願い申し上げます.

詳細な報告は新年度になってからweb pageなどで行います.

さて,毎年恒例の前山先生まとめの2014年度個人実績です.ドクターヘリではfirst doctorの総出動件数は1000件前後になりました.センター長は2500件をこえました.数・経験は間違いなく力となり,質の向上につながります.フライトナースも着実に経験数を伸ばしています.1月から飛び始めた畑中看護師は3ヶ月で39件の出動実績.これからも1事案,1事案を大切に力をつけていきましょう.




ドクターカーは原則1名出動のため,1年で100〜150件の出動実績となっています.救急隊の直接メディカルコントロール,教育にも一役かっている事業であり,救急医の業務としても適切な実績ではないでしょうか.


これだけの実績があっても,もっともっと学ぶべき事があります.現状に満足せずもっと高いレベルを目指したいと思います.

取り急ぎの報告でした.






2015年3月30日月曜日

3月30日 最速の医療介入

春の青空.快適な天候です.


ここ最近,現場直近着陸からの医療介入が続きます.直近に着陸しダッシュで現場に入る事がほとんどです.


複数傷病者事案ではフライトドクターをストレッチャーに寝かせ,増員で現場に向かいます.災害は医療の需要と供給のバランスが崩れるた状態.であれば,医療の供給を上げるだけで災害が平時の救急診療に成り代わります.当地域では当たり前の対応になっています.


休耕田は現場直近着陸には適した場所です.事故現場のすぐ脇に着陸し外傷初期診療開始!


こちらも休耕田.


現場から救急隊と共に活動です.覚知から医療開始まで最速で行われます.


運航スタッフ,消防,警察など多機関の協力,理解があってこその現場直近着陸からの医療介入.傷病者を中心に常に救急医療が行われている地域であることが実感出来ます.

センター内では搬入された患者の緊急治療.日々,それぞれが役割をこなすことで高い救命率が維持されています.


そういえば,今年度ももうすぐ終わりですね・・・





2015年3月24日火曜日

3月24日 TECCMC歓迎&壮行の宴

今年もTECCMC歓迎&壮行の宴が催されました.


まずは2月,3月に異動してこられたナースの皆様を歓迎.厳しくも明るく楽しいセンターです.専門職として日々ステップアップしながら頑張って下さい.よろしくお願いします!


そして,この3月でTECCMCから巣立つ方々の壮行会へ.まずは原田ナース.1年目からTECCMCで学び,ICU, HCU, 初療と救命ナースとして一通りの業務が出来るまでに成長しました.次は東京で救命以外の専門分野を学びます.指導者の畑中ナースと涙の抱擁・・・周囲の涙を誘います.素敵な師弟愛ですね.

 

林フライトナースも大学院入学のために卒業です.女子学生になるとのことで,資機材バッグ型のランドセルが贈呈されました.これでどこの小学生にも見た目は負けませんよ〜.救命救急センター・ドクターヘリ事業立ち上げから尽力してもらいました.今度は目標とする学問を究めて下さい.最後はずーっと指導してきた小山看護師から指輪とお姫様抱っこのサプライズ.こちらはホンマもんの師弟愛に発展か!?(発展しません.指輪は回収しました.小山談)


菊川先生は外科研修を目的に熊本に飛びます.恒例の写真集,寄せ書き,スクラブ,ジャケットが贈呈され,卒業生に名前が刻まれました.スタッフ達との小ネタも披露され,持参したサングラスも大活躍.やっぱり菊ちゃんも関西人でした.熊本の皆様,1行動1ボケの関西のノリで菊川が馳せ参じます.何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます.


新たな仲間も卒業する仲間もTEAM TECCMCです.よろしく,そしてお疲れ様.今宵も良い時間を過ごしました.

2015年3月23日月曜日

3月23日 卒業フライト

春は卒業の季節です.今年度TECCMCを卒業するのは菊川先生.2年間の研修を無事終えられました.本日はTECCMCでの卒業フライト.

朝は少々冷え込んだ中の機内点検からスタート.


機内でもいつも通りクールな菊ちゃん.無線交信も慣れたもの.



現場直近着陸からのダッシュ,外傷事案ではEFTの術者と卒業フライトらしい事案ばかりでした.EFTは機内でROSCし,DCSからICU入室です.やり遂げましたね.


運航終了後は花束贈呈に胴上げ.普段は見せたことも無いはじけた一面も見せた菊川先生でした.


この2年間で学んだことを,次のステップにつなげて下さい!熊本でも頑張って下さいね.そして,またいつか一緒に働きましょう!!



2015年3月22日日曜日

3月22日 こんな感じで

ドクターヘリの重複要請時はドクターカーが対応します.そして,カーで医療介入後,早期の搬送が必要な事案はヘリを再要請しドッキングします.病院前救急診療の目的は早期医療介入.その手段はヘリでもカーでも自転車でもダッシュでも良いのです.医療介入後の搬送手段はその傷病者に応じて考えます.


早期医療介入の必要な状況では現場直近着陸が選択されます.こちらはスーパーの駐車場.消防の安全確保と上空からの安全確認で着陸,そのまま現場で患者接触します.消防,地域住民の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます.


今日は日常的に行われている病院前救急診療のミッション方法の1部をご紹介しました.



2015年3月20日金曜日

3月20日 ドクターヘリ症例検討会・安全講習会

本日は毎年恒例のドクターヘリ症例検討会・安全講習会を開催しました.安全講習会はHEM-Netの後援をいただいての開催です.

基調講演は関西大学社会安全学部社会安全学科 教授 中村隆宏先生に「新しい視点からのヒューマンエラー対応」と題したお話しを賜りました.切り口,視点,講演内容,手法など大変勉強になる内容でした.


基調講演の後は引き続きパネルディスカッションです.今年のテーマは「早期医療介入とランデブーポイント設定の現状」.
 基地病院;早期医療介入の効果
 消防(3題);ランデブーポイント設定の現状,工夫,問題点,症例
 運航会社;早期医療介入を果たすために.ランデブーポイント?現場直近?
今後の運航に参考となる発表内容が目白押しで,中身の濃いディスカッションとなりました.


参加されました皆様,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.

それからこの会の時は必ずプレホスピタルナースが全員集合!勤務の関係上,なかなか一同に介せませんが,そんな彼らのレア映像はこちら!


これからもドクターヘリ,ドクターカー,初療,ICU/HCUで活躍して下さいね.





2015年3月15日日曜日

3月15日 春

暖かくなりました.待ちに待ったはるが来たようです.青空が広がり,雪山は白く輝き,日本海は穏やかにDEEP BLUE.四季を感じられる素敵な地域です.


3月も初療手術室は繁盛しています.体幹部外傷,急性腹症,軟部組織感染症などなど根治的治療も迅速に提供します.前山先生,杉野先生はじめとした麻酔担当の先生たちが術中から蘇生,手術終了時には全てが安定化.救命救急センターのシームレスな緊急治療の1幕でした.


病院前救急診療,特に日中屋外に飛び出すドクターヘリスタッフは青空の下,元気に救急医療を提供します.現場で医療機材を使えば,次の事案はセンター内の予備機材バッグを背負ってヘリに走ります.


現場までの飛行中は真剣な眼差し.ランデブーポイントでは治療戦略の確認.


そして,運航終了後のオフタイム・・・ここにも春が来たお二方がおられるようです・・・






2015年3月12日木曜日

3月12日 そういえば

そう言えば先日,ドクターヘリの1日の出動件数が16件を記録しました.内7件は離陸後軽症キャンセルでしたが,重複要請で不応需事案はありませんでした.要請をかける指令,現場到着した救急隊,ドクターヘリスタッフの無駄の無い連携の結果なのでしょう.件数よりも地域に根付いた運用がなされていることを誇りに感じます.関係者の皆様,お疲れ様でした.

本日は写真が趣味の“藤崎先生”の作品を少しご紹介します.他の写真も混じってますが,ドクターヘリ,ドクターカー,あらためて見るとなかなかカッコイイです^^

スキー場事案.ゲレンデ下の駐車場に着陸地点を確保してもらっています.


霧とドクターヘリ.


運航終了後,格納庫へ.夕暮れにライトアップされたヘリは良いですね.


ドッキングポイントで待機中のドクターカー.赤色灯とライトで存在を示します.


たまにはこんな写真集も良いですね^^



2015年3月9日月曜日

3月9日 ドクターカーナースOJT開始&取材開始

ドクターカーナースのoff the job trainingは始まりました.関係者の皆様,よろしくお願い申し上げます.


中尾です!まずは指導ナースがべったりついての指導.指導ナースは現フライトナースの皆様.自分が歩んできた厳しい日々を凝集して伝えます.出動後は担当ドクターを交えて毎事案振り返り.これを数ヶ月続け,評価が待っています.頑張って下さい^^

そんな中,今月は取材が入っております.但馬の海と陸の風景に混じって,取材カメラを取材してみました.放送日,内容は後日発表します.楽しみにしていて下さいm(_ _)m



2015年3月7日土曜日

3月7日 第111回日本救急医学会近畿地方会(第111回近畿救急医学研究会)

昨日に引き続きの学会ネタです.

和歌山市で開催されました「第111回日本救急医学会近畿地方会」で発表してきました.今回はTECCMCから4演題の発表です.

岡先生
・術前画像診断により適切な術式が選択された成人回盲部腸重積症の1

藤崎先生
・遷延性低血糖を契機に発見された原発性マクログロブリン血症の一例

藤原先生
術後癒着の自然剥離が原因と考えられた腹腔内出血の1

安田先生
治療に難渋した誤嚥性肺炎によるARDSの1例


〆は和歌山ラーメンですね.

臨床に学術活動にoff timeに全力投球のTECCMC's 救急医です.



2015年3月6日金曜日

3月5日・6日 第51回日本腹部救急医学会総会

京都市で開催された「第51回日本腹部救急医学会総会」で発表してきました.今回はセンター長のみが参加です.

センター長

・社員総会(評議員会)
・パネルディスカッション:腹腔内感染症に対する敗血症治療戦略〜PMX-DHPの位置づけは?〜



・パネルディスカッション:ドクターヘリを用いた外傷診療は転帰を改善する



TECCMCにおける外傷診療,Acute Care Surgery,敗血症診療の成果を公表してきました.現状に満足せず,まだまだ上を目指していきたいと思います.


以上,学会報告でした.



2015年3月3日火曜日

3月3日 ドクターヘリ消防本部別症例検討会

3日は今年度最後のドクターヘリ消防本部別症例検討会を宮津与謝消防本部で行いました.それぞれの地域に応じたドクターヘリの有効活用方法を模索します.まだまだ活用される余地はあります!来年度以降も各消防本部にお邪魔して,検討会を続けます.引き続きよろしくお願い申し上げます.

本日は関東から医学生,看護学生の方々が見学,センター長への取材に来られました.地域に根差したTECCMCの姿を見ていただき,前山先生,佐々木先生からの実習講義.何かを感じ取ってくれたことでしょう.


気がつけば年度末ではありませんか!1年ってあっという間ですね・・・



2015年3月1日日曜日

3月1日 ドクターヘリの目的

またやってしまいました.夏休みの最終日に絵日記をまとめて書く・・・はい,3月は公私共々忙しい日々で御座いました.言い訳ですm(_ _)m

というわけで,今月最初に書こうと準備していたのは「早期医療介入こそがドクターヘリの目的,それを実現するミッション」です.いや,そんな大それた内容では御座いませんが^^;

交通外傷,複数傷病者事案.もちろん覚知同時要請で救急車の現着とほぼ同時にドクターヘリが上空に到着します.ランデブーポイントは事故現場から数分.複数傷病者事案,重症外傷が疑われる受傷機転から現場直近着陸を選択します.現場の救助隊の1名に安全確保をお願いして着陸,医療スタッフはダッシュで現場へ!トリアージ,外傷初期診療を行いながらTECCMCまでのピストン搬送です.2人目以降は医療スタッフ同乗の救急車がTECCMCに向け走り,途中の良いポイントでドクターヘリでピックアップ.また,内因性疾患で緊急性を要する事案では,現場直近の農道に着陸し医療スタッフだけを降ろしドクターヘリは離陸.医療スタッフは現場で治療を開始,ドクターヘリはランデブーポイントで安全に待機,医療介入された患者はランデブーポイントでヘリ収容です.


ドクターヘリの目的を達成するためにはどのようなミッションが必要か?医療スタッフ,運航スタッフ,消防が行うチーム医療の形がTECCMC方式です.

医療スタッフが現場などでヘリから離れている間の光景.運航スタッフの方が見学案内をしてくれています.これも地域医療,地域貢献の一つの形です.住民の方々に認識してもらい,理解してもらうことが「地域に根差したドクターヘリ・カー」実現の第一歩です.