本日のドクターヘリは幸部先生,山邊先生,安積看護師です.
☆ドクターヘリ1件目 頭部外傷
「意識無し,呼吸あり.」にて覚知同時要請です.覚知から3分後にはドクターヘリ要請.指令課の意識の高さがわかります.
現場は救急車でTECCMCまで50分近くかかるところ.ヘリは10分少々でランデブーポイントへ着陸します.程なく救急車も到着,覚知から25分,救急隊現着から15分で医療介入開始です.
患者さんは転倒による頭部外傷が考えられる状況,不穏です.外傷初期診療を速やかに行い,鎮静.ランデブーポイント滞在時間10分以内にTECCMCへ向け離陸します.
初療では岡先生,番匠谷先生が待ち構えています.やはり・・・頭部外傷.早期医療介入と搬送時間の短縮が2次性脳損傷を軽減します.
☆ドクターヘリ2件目 院外CPA
「意識無し.」にて覚知同時要請です.ミッションとしては問題なく,オートパルス装着し救急車同乗で近隣の病院へ搬送となっています.
☆ドクターヘリ3・4件目 交通外傷
2名の傷病者.2件目の事案で帰投中に要請・出動です.閉じ込めあり!しかし,機長が安全と判断し現場直近に着陸,医療スタッフはダッシュで現場へ.
スタッフ現着時,車外救出中.この段階で外傷初期診療が開始されるのがドクターヘリの強みであり,有用性です.
傷病者は2名.1名はショック状態.現場には2名の救急医がいます.各々の傷病者に1名づつの救急医がとりつき,救急隊と共に診療を行います.「1名,赤.1名,黄色.赤をドクターヘリ搬送,黄色は医師同乗でTECCMCへ救急車搬送,途中でヘリによるピストン搬送も考えます.」 現場の山邊先生,幸部先生はミッション方法を消防と統一します.
山邊先生が赤タッグの患者さんを担当し,急速輸液を行いつつヘリ搬送です.幸部先生が黄色タッグの患者さんを担当し,救急車で出来るだけTECCMCへ近づき搬送します(陸送で1時間近くかかる場所).
現場直近から10分もかからず赤タッグの患者さんがTECCMCへ搬入されます.そして,そのまま黄色タッグの患者さんをピストン搬送で向かえに飛びます.これこそが,豊岡ドクターヘリの醍醐味.2 flight doctor制と消防との密接な関係.
赤タッグの患者さんは頸髄損傷,IIIb型肝損傷の重症外傷と判明.初療担当医の番匠谷先生,岡先生が賢明な治療を行っています.
本日もドクターヘリが有効活用され,地域の皆様のお役に立てた1日でありました.消防をはじめ,ご支援,ご協力をいただいている皆様に感謝申し上げます.
さて,本日から「念願の」格納庫の運用が開始されました.運航終了後,ドクターヘリを格納庫へ!
これで,天候不良時の但馬空港への帰投の心配も,空港視界不良時の離陸不可の問題もなくなりました.朝の運航開始,点検もスムーズになり,一早く要請に応えられる体制となります.また,機内の資機材の積み卸しも必要なくなり,医療スタッフの負担軽減にもつながります.
格納庫,給油施設が揃い,何のストレスもなく豊岡ドクターヘリが本格的に稼動いたします!!引き続きのご支援とご尽力のほどよろしくお願い申し上げます.