2012年10月19日金曜日

10月19日 救急集中治療医

TECCMCのドクターの任務は,
・病院前救急診療:ドクターヘリ,ドクターカー
・初療&ER
・根治的治療:緊急手術(外傷,急性腹症など),緊急内視鏡,TAEなど
・集中治療
・一般病棟管理
・follow外来
・災害時派遣(DMATなど)
・消防との事後検証
・医学教育
などなどです.病院前からチームで診断,治療を行い,入院管理,外来フォローまで行う幅広く,奥行きの深い救急集中治療を目指しております.こんな環境で救急集中治療を実践したいという医師,看護師の皆様からのご連絡をお待ちしております!


ここ数日は秋晴れ.北近畿地方は過ごしやすい毎日です.ドクターヘリの機体も青空に映えます.


現場出動では早期医療介入,医学的な観点からの病院選定など有効に活用されるドクターヘリ,ドクターカーです.

外傷事案,現場で傷病者は意識レベルIII桁,胸部外傷を合併した低酸素状態.TECCMCまで陸送なら40分以上かかる地域.覚知同時要請にて降り立ったフライトドクターにより外傷初期診療がなされ(緊急度が高い症例であり,機内収容しフライト中にエアウエイスコープを用いた気管挿管など施行),primary surveyをクリアした状態でTECCMCへ搬送です.現場での予測生存率は50%.医療介入が30分遅れていれば失った命かもしれません.消防の的確な判断に始まる地域救急医療システムが上手く作動した事案です.

(写真と上記事案は無関係です)


TECCMC ICUには重篤な患者さんが入床されます.当科医師,各科医師,そしてTECCMCの看護師が協力し合って治療にあたります.

術後の呼吸不全,ICUへ転棟し気管挿管,APRVでの呼吸管理そして原因検索.呼吸状態が悪すぎてCTに移動出来ず.ICU内で診断的腹腔洗浄から緊急開腹へ.acute care surgeryの知識と経験を提供し,open abdominal managementと急性血液浄化療法,そして悪化する酸素化にはECMO(人工肺)の装着.夜を徹した重症管理が始まります.隣のベッドでは血液浄化療法から離脱した敗血症性ショックの患者さんが穏やかに休まれています.


救急集中治療医を中心とした救命チーム.日々の地域医療にもっともっとお役に立てるよう精進いたします.本日はTECCMCのある1日を題材に救急集中治療医の一面を紹介しました.