2014年5月29日木曜日

5月29日 ドクターヘリ・ドクターカー症例検討会

昨年度までは年6回,基地病院,消防,関係機関が一同に介して症例検討会を行ってきました.しかし,各論的な検討,意志統一の検討が不十分な感は否めませんでした.そこで今年度は基地病院のスタッフが各消防本部にお邪魔して,より詳細な本音トークが出来る検討会を提案,本日第1回目の開催となりました.

第1回目の検討会は豊岡市消防本部です.


まずは豊岡市消防本部署長,センター長の挨拶.それから平成25年度の豊岡市消防本部全出動事案を「死亡」「重症・重篤」「中等症」「軽症」に分類し,ドクターヘリ,ドクターカー要請・出動割合を検討しました.特に「死亡」「重症・重篤」で,ヘリ・カー要請が行われていない事案を個々に検討してもらいました.結果,アンダートリアージは0.非常に適確かつ適切にヘリ・カー要請が行われていることが証明されました.この結果を残すためには,結果としてのオーバートリアージがヘリ20%,カー35%程度は必要,容認すべきことも実証されました.

続いて本署,分署,出張所,指令課からの事例発表.ヘリ,カー要請を迷う事例,時間経過,重複時の動き,要請継続の判断基準,キーワード方式裏に隠れる病態をいかに見抜き要請をかけるか,などなどMCプロトコールや検証会議の内容も絡めた濃い,良い内容でした.予定した時間を大幅に超過し,当務明け,休みの皆さまにはご迷惑をおかけしましたが,検討会の一つの方向性が見えた気がします.

これから毎消防本部に年2回はお邪魔し,このような検討会を開催していきます.ドクターヘリの出動件数は全国を対象とすれば多いかもしれませんが,比較する対象,基準は当管轄地域における需要に対する件数であり,アンダートリアージ0,防ぎ得た死0を実現するためにはまだまだ要請,出動件数共に不十分です.精度,質を向上させながら,本事業を発展させたいと思います.

本日もヘリ,カーは有効に活用されました.重複対応,早期医療介入,そして基地病院での受入.消防から救命救急センターへシームレスな救急医療が展開されています.




本日も怒濤の1日でした.お疲れ様でした.