本日は「第140回近畿救急医学会救急隊員部会」(姫路市)の教育講演にセンター長がお招きいただきました.今回の救急隊員部会のテーマは「ドクターヘリ」.関西広域連合管内では5機のドクターヘリが飛んでいます.関西地区ほぼ全てをカバーする本事業が救急隊員部会で取りあげられた意味は非常に大きいものです.ドクターヘリを活かすも殺すも消防の判断1つですから.
スライドの一部を供覧いたします.
今回のテーマも根本をなすメディカルコントロールのお話しから開始です.「質の高い搬送」「適切な病院選定」こそが検証されるべき事項なのです.そこにドクターヘリ,ドクターカーをいかに絡ませるか.各地域で考えていただきたいとの提言を行いました.
病院前救急診療(ドクターヘリ,ドクターカー)の目的,運航・運行方法などの紹介です.
当ドクターヘリの運航における工夫,消防の理解・協力,その結果をお話ししています.total prehospital timeの短縮化,覚知同時要請率の向上が実現しています.しかし,地域による「差」も明かになってきました.今年度はこの原因を検証いたします.
質の高いドクターヘリ事業を提供するための方策,結果としてドクターヘリが有用性を示したこと(詳細は論文で!)を伝えています.やはりoutcomeは重要です.
今後,我々および関西広域連合,関西圏が確立すべき内容を提言しております.
教育講演の後に行われた一般演題でも地域格差が見え隠れ・・・会場の聴衆からの意見をうかがうに,「なぜ覚知同時要請ではない??」「陸送の方が早いのでは??」「2次病院に断られたからヘリ要請?なんだそれ??」など.ドクターヘリ事業が本邦で始まって10年以上が経ちました.まだまだその本質は浸透しきれていないようです.本事業に参入して5年目,TECCMCと当地域から発信できることがまだまだありそうです.
本日はいろいろな意味で勉強になりました.ありがとうございました.