2019年4月30日火曜日

4月30日 平成の時代,今日が最後でも

“FAST陽性,どショック,緊急輸血,オペオーダー” フライトドクターの安田先生からホットラインに入電です.初療コマンダーの柿崎先生は受入準備の指示を出し,ヘリポートに向かえに行きます.


高速道路上での事故.ヘリ機内で初期診療が行われ,そのままヘリポートから初療までの1分間で治療を引き継ぎます.冷感・湿潤著明,橈骨動脈触知不可!! 腹腔内出血による出血性ショックです.初療はすでに受入準備は万全.搬入から数分で緊急開腹術が始まります.輸血は投与開始済み.開腹と同時に術者の濵上先生の右手が大動脈を用手で圧迫,動脈性出血を制御します.そのまま助手の渡邉T先生が開腹処置をすすめ,腹腔内の血腫を腹腔外へ掻き出します.第2助手の谷口先生に大動脈圧迫を代わり,濵上先生は5点パッキングで一時止血.術野がDRYになります.


さて,出血源は・・・“IIIb型肝損傷,ガーゼパッキング,OAM,Damage Control手術!”濵上先生の宣言です.輸血により凝固能も問題なし,循環も立ち上がり,室温調整のお陰もあり体温は下がらず.死の三徴に足を突っ込ませないまでに戦略決定です.手際良くパッキングを完了し止血完了.他部位損傷を検索しAbtheraを用いたOAMで手術終了です.ここまで初療搬入から45分.さて後は追加のIVRの必要性,他の損傷検索などを行い当センターのICUへ入床です.


平成最後の日もいつも通りに重症外傷(予測生存率50%未満)が救命されていきます.スタッフ全員がフルスイング.令和時代も変わらず,いや平成時代以上に全力で救急医療・診療に邁進したいと思います.

この1ヶ月で新入職の先生達も業務に慣れたようです.ヘリポートへのお迎え,ホットローディング時の引き継ぎ,ドクターカーの受入などなど.そんな若手スタッフの画像もアップしておきます.



そして平成最後の日を記念して,まつ〇救命統轄医局長から若手スタッフに有り難きお言葉が.決してま〇い救命統轄医局長の恫喝画像ではございません,決して・・・


そんなこんなで平成という時代を駆け抜けようとしています.