2011年6月7日火曜日

6月7日 チーム医療

チーム医療,ここ最近良く言われている言葉です.今日はまさにそんな症例.

夕方,ヘリ番の松井先生,倉橋先生,森田看護師は一斉PHShが鳴ったと同時にヘリポートへダッシュです.離陸,「屋根からの墜落,意識無し.」との情報です.覚知同時要請,数分でランデブーポイントへ.そして,現場までダッシュ!推定医療開始短縮時間は20〜30分.

現場からの外傷初期診療.舌根沈下,気道閉塞気味,意識悪い!頭部に外傷あり!!同時進行で行われたFASTではnegative.やばい状況だというのは現場全員の認識です.急速輸液を行いつつ,鎮静下に気管挿管施行.安定した状態にしてTECCMCへ搬送です.

ヘリポートからdirect trauma CT.急性硬膜下血腫(midline shiftあり),肺挫傷,肋骨骨折,右腎損傷(造影剤漏出あり)・・・受傷から1時間以内に全ての診断がついています.あとは根治的な治療を最速で行うだけ.頭優先?止血優先??どちらも待ったなし!

「血管造影室で血管造影しながら穿頭.それから開頭へ!」 チームが一気に動きます.緊急輸血も始まっています.胸腔ドレーンも挿入済み.循環を把握するためのA-lineも挿入済み.穿頭は脳外科チームとオペ室看護師,血管造影は幸部先生,松井先生です.小林,番匠谷先生は他の緊急開腹術の準備.麻酔科の先生も定期手術,複数の緊急手術の段取りをしてくれます.ICU担当の前山先生は緊急開腹術の麻酔医に任命されます.

穿頭・・・一気に血液が吹き出します.血管造影,出血点を確認・・・そして,開頭術のために手術室へ.あとは脳外科チームにひとまず任せて,救命チームは術後の管理に備えます.

緊急開腹術が終了,隣の部屋では開頭術が行われています・・・

現場から手術,ICUまで,1人の患者さんを中心に全ての職種連携がはかられています.1つでも連携がとれなければ,チーム医療が行われなければ失われたであろう命です.「チーム医療」あらためてその意味を実感しました.


そして,もう1つ.チーム医療を行うための大切な大切なコミュニケーション.今宵は地域の消防,ヘリ運航会社の方々と親睦をはかりました.すばらしき熱い仲間達です!


ちなみに本日の集いの場所は,豊岡市にある「NEXT DOOR」(http://next-door.weebly.com/)さんです.おいしいお料理と素敵なお店の雰囲気,良い夜を過ごしました.