2012年9月30日日曜日

9月30日 9月のドクターヘリ,ドクターカー運航・運行状況

9月のドクターヘリ,ドクターカー運航・運行状況です.


☆ドクターヘリ
要請件数 113件
出動件数 97件(現場 92件,施設間 5件)

今月は救急搬入件数も減少しました.昨年度同様に9月は落ち着いた月でありました.ドクターヘリの出動件数がそれを物語っております.

消防機関はじめ関係機関の協力があってこそのヘリ事業です.地域住民の救命率向上のため,後遺症軽減のため,適切な病院選定・搬入のためにも,引き続き既存の医療システムを有効にご活用願います.よろしくお願い申し上げます.

月別の運航状況です.
上半期出動件数は705件となっております.

今月の府県別運航状況です.

消防本部別の要請,出動件数です.

搬送先病院です.


☆ドクターカー
出動件数 93件

但馬4消防本部の救急車出動件数割合の9割を占める時間帯(6時〜23時)の運行です.ヘリ運航時間帯はTECCMC近郊あるいはヘリ対応不可時に出動,ヘリ運航終了後は但馬全圏域に出動し,主にドッキング方式をとる運行形態です.救急救命士の研修の場としても活用されています.

月別の運行状況です.
上半期出動件数は538件となっております.

消防本部別の要請,出動状況です.

搬送先病院です.


病院前から積極的な医療を展開すると,確実に救命率が向上します(覚知同時要請が大前提です).ドクターヘリ,ドクターカー事業,但馬救命救急センター運営に多大なるご理解とご支援を賜り感謝申し上げます.スタッフ一同,より一層救命救急医療に邁進したいと思います.






2012年9月29日土曜日

9月29日 WET LABO. 第二弾

本日は永嶋先生プロデュース WET LABO. 第二弾が開催されました.鼠径ヘルニアモデルを使った根治術,豚の腸管を使った腸吻合,血管モデルを血管縫合などをたっぷり修練です.ドクター,ナースと共に研鑽.ご協力いただきました皆様,ありがとうございました.

※以下の画像はセンター長の事後承諾使用です.つ○みさん,ふ○た君,ありがとうねm(_ _)m




練習中にヘリ要請がかかって,絶叫している前山先生がどこかに写っています.探してみてください^^


台風が近づいてきています.外は良いお天気なんだけど・・・

朝の点検.衛星携帯のチェックをする中嶋先生.そんなヘリポートの隅でしなくても.

青い空にぽっかりと白い雲.

中嶋先生,初の現場.現場直近からダッシュ,車外救出のお手伝いもしてJPTECの知識も実践です.

救急車を待つ間,ブランコに座る中嶋先生,森田看護師.束の間の休息と日焼け対策!?で,触れる機内では書類作成.酔わないで下さいね〜

 日を背にランデブーポイントのJA822H.この日もよく働きました.お疲れ様でしたm(_ _)m









2012年9月27日木曜日

9月27日 Trauma Bypass〜救命士が救い上げる命〜

重症外傷は受傷から根治的治療までの時間が救命に直結します.病院に搬入すれば助かるというものではなく,外傷チーム,緊急輸血体制,そして初療室手術の体制が整っている救命救急センター・外傷センターではければ助からない命が存在します.だから緊急手術まで1時間かかる病院に搬送するよりは,現場から多少時間はかかってもERT/ERLが数分で行われるセンターへ搬送すべきなのです(当地域ではこの搬送中にドクターヘリ,ドクターカーを絡めた医療体制をとっています).これが「Trauma Bypass」,救急隊の観察,評価の腕,そして迅速な判断にかかっています.


ある夜,センター長,永嶋先生が初療担当夜勤でした.比較的のんびりとした初療で,初期研修医の先生がWALK INの患者さんを診察,永嶋先生がコンサルタントで指導しています.

その静寂をやぶるかのようにホットラインが鳴ります.「男性,閉じ込め事案.救出までにはまだ時間がかかります.胸部外傷などが疑われます.Trauma BypassでTECCMCへの事前受入の問い合わせです!」 当センターのドクターカーの運行エリアに入っていない地域からの問い合わせです.ドクターカーは出動不可ですが,受入の答えはもちろん「OKです!」 

しばらくして再びホットラインが鳴ります.「救助完了!冷感,湿潤がみられます!!搬送します,よろしくお願いします!!!」 センター長,永嶋先生はナース達と受入準備を行いつつ,ドクターカー勤務の三浦先生も初療に呼び出します.

救急車到着.永嶋先生は救急車まで患者を迎えに行き第一印象・・・「ショック!」

初療に搬入しprimary survey.JATECインストによるリアルJATEC.ABCDEの評価は一瞬です.「FAST pericardiac effusion positive!」とセンター長,と同時に永嶋先生は頸静脈怒張を確認します.両側の上腕に16G針を三浦先生は留置,Cの異常は改善傾向なし,むしろ徐脈傾向に.「開胸するよ!」センター長,永嶋先生は同時に指示します.三浦先生は気管挿管,麻酔の準備.そして,外傷医・岡先生,麻酔医・前山先生の呼び出しも同時に行います.


初療搬入から数分,心破裂の根治的治療が開始されました・・・

数日後,TECCMC ICUで元気におしゃべりされる患者さんがおられました.まさにTrauma Bypassが奏効した事案です.現場の救命士の判断,若い命を救い上げました.今後はドクターカーの運行エリアに入っていただき,さらにより良い医療体制を構築できればと思います.


TECCMCの日常画像集^^

元祖師弟コンビの岡先生,三浦先生.一緒にいるのは濱副師長(フライトナース).この日のヘリ機内は濃い〜空気だったようです.

医療スタッフが現場に投入されている間は住民の方への見学会&写真撮影会.身近な医療システムとしてのドクターヘリにご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます.

機内の医療スタッフ.真剣な表情の長嶺先生,ミッション終了し安堵の清水看護師.タイミングで寝てるように見えるだけだよ〜って言っておられました.誰も突っ込んでないのに^^;

現場の永嶋先生,安積看護師.初療搬入後は診療と共にヘリ記録作成にカルテ記載.事案が重なると大変です.

初期研修医の先生に指導する武井先生(左),前山先生(右)の黒縁コンビ.いろんな事を指導医のもと,経験して下さいね.指導医も日々勉強ですね^^

 ドクターヘリ運航終了.青い空に月が見えています.この時期は日没が早く,17時過ぎには要請終了.あとはドクターカーにその任務を任せます.お疲れ様でしたm(_ _)m























2012年9月26日水曜日

9月26日 ポロシャツとTシャツ

いよいよ来週末は千里メディカルラリー.TEAM TECCMCも勉強に勤しんでおります.


そんな中,センターオリジナルのポロシャツとTシャツを作成しました.フライトスーツやスクラブの下に着用,上着を脱いでもTECCMCメディカルスタッフを分かるよに^^


デザインはもちろん番匠谷画伯.
star of lifeの蛇の顔はセンター長.
皆,お気に入りのデザインです^^


というわけで,本日はちょっとした自慢でした.失礼しましたm(_ _)m






2012年9月20日木曜日

9月20日 TECCMCの日常風景

病院前救急診療(ドクターヘリ,ドクターカー),初療対応,根治的治療(手術,TAEなど),集中治療管理,一般病棟管理,follow up外来・・・うちのセンターの日常です.救急医,研修医,看護師,メディカルスタッフ,医療クラーク,事務職員などなど多職種が密に連携するチーム医療です.


今日は現場の風景を紹介です.

勤務終了の三浦先生.周囲と何か違いませんか??
TECCMC's Rule その1:使用したコップ類は自ら洗ってその場を離れること.違反した者はスクラブをパンツインにて姿勢を正し反省すべし!
救命医局風紀委員長の三浦先生が決めたルール.違反者第1号も三浦先生・・・こらこら.



こちらは夜間の初療室緊急手術.出血性ショック,初期輸液に反応せず!
パッキングを行い,primary survey clear.緊急麻酔は中嶋先生.キッチリとmassive transfusionを行って患者さんの状態を立ち上げます.術野は永嶋先生,長嶺先生,センター長.センター長は早々に手をおろし,事務処理へ.仕上げは永嶋先生指導で長嶺先生がキッチリと.この裏では他の先生がWALK IN,救急車対応をしてくれてます.その時々に応じた人員配置,各々の役目を果たします.




ドクターヘリの現場はどんな感じでしょうか.ちょっと覗いてみましょう^^
ランデブーポイントで救急車の到着を待つ間,支援隊の方,現場救急隊と情報のやり取りを行います.そこで必要な資機材の準備も行います.雨の中も外で待機.


真剣な眼差しの向こうに見えるのは・・・

 救急車到着!治療開始!!芝生のランデブーポイントは砂塵の影響が少なくてありがたいです.

時には複数傷病でランデブーポイントに複数台の救急車.2 flight doctorなので,より迅速な現場対応でピストン搬送決定!

性別関係無く,現場では重さ10kg以上の資機材を担いで救急車あるいは現場へ向かいます.中嶋先生が持っているのは,ヘルメット,エアウエイスコープ,聴診器,トーマスバック.この状態で400mを1分以内で走って下さいね〜^^ 「無理ッス」by フライトスタッフ一同.


今週末は救急科専門医の筆記試験.受験する先生達,頑張って下さい.日常診療の質,姿勢を見ていれば,合格するか否かわかります.救急の神様も同じように見てます,多分.応援してま〜す!












2012年9月18日火曜日

9月18日 侮れず

やはり高エネルギー外傷は高エネルギー外傷.侮れません.早期に凝固異常を察知し輸血対応,低体温に陥らせない,適正な末梢循環を保つ,当たり前の外傷診療をしていても突然ショックに陥る患者さんもおられます.軽症から超重症までの外傷症例を受け入れている当センターでは様々な病態,変化を経験します.日々勉強です.


ある日の初療.腸腰筋内出血からの出血性ショック.primary surveyがクリア困難であり,初療で腹膜外アプローチによる後腹膜パッキング.外傷外科医には必須の手術手技.そして何よりも麻酔管理が生死を分けます.TECCMCの救急医は全員が緊急麻酔はお手の物.この症例は中嶋先生が完璧に循環,凝固系管理を行いました.


センター長は早々に手を下ろして事務仕事へ・・・スタッフの皆さん,good job! でしたよ^^


本日は夕方からゲリラ豪雨.何だか久しぶりにまとまった雨を見ました.気がつけば9月も半分過ぎてます.センター長,来月の勤務表作り始めてますか??・・・「忘れとった--;」by センター長






2012年9月17日月曜日

9月17日 ドクターカーも活躍中

当地域は救急車の搬送時間が長時間かかります.だからドクターヘリが有効であり,ドッキング方式のドクターカーも有効なのです.本日はそんな1例紹介.


天候不良でドクターヘリは離陸不可,そんな時にもヘリ要請がかかります.「年齢,性別不詳,歩行者が乗用車にはねられた」.覚知同時要請ですが,ヘリは飛べません.そんな時はドクターカーが出動です.医療介入まではヘリに比べ少々時間はかかりますが,病院搬入からの治療開始までと比べると圧倒的に早期医療介入が可能です.

センター長,福本看護師,OJT中の野村看護師を乗せたドクターカーは一路ドッキングポイントへ.走行中に救急隊から無線連絡が適宜入ります.「女性,骨盤骨折疑いでショック状態」.ドクターカー内では加圧輸液,サムスリングなどの用意が行われます.

ドッキングポイントへカーが到着,程なく救急車も到着.医療スタッフが乗り込むと同時にTECCMCへ向けて走り始めます.そう,カーの搬送先は9割程度TECCMC,外傷事案は100%TECCMC,だからこんなミッション,ドッキングによるタイムラグはほぼ0分.

やはり骨盤骨折に伴う出血性ショックのようです.救命士と協力しながら車内活動を行います.初期輸液開始,サムスリング装着,膝を内股に.20分以上の医療介入時間短縮,そしてセンター搬入時には循環も立ち上がっています.だからそのままdirect trauma CTへ.

ヘリだけでは不十分であり,カーなどの手段を持つことでより強固な医療システムを地域に提供することが出来ます.このカー事業は地域の補助金事業であり,まさに救急医療は地場産業,地域が支える事業です.


本日はちょっと貯まっている画像を紹介^^

現場へ.暑い夏,キャップは必需品です.フライトナースは情報を含めた記録を開始.

ランデブーポイントで救急車の到着を待つ医療スタッフ.


ランデブーポイントのドクターヘリ.消防の方々の協力があって,安全に着陸が可能になります.


現場によっては直近に着陸.城跡の頂上に着陸することも.小型の機体だからこそ可能なミッションです.


本日の午前中は台風の影響でヘリは飛行不可,でも午後からは安全を確認し飛行可能に.3件の出動でした.朝晩が涼しく,秋の訪れを感じる今日この頃.台風一過,穏やかな天気と穏やかな日々が続くと良いですね.