2012年4月30日月曜日

4月30日 2012年度最初のドクターヘリ,ドクターカー運航・運行状況

2012年度最初の月,4月のドクターヘリ運航,ドクターカー運行報告です.

☆ドクターヘリ
要請件数 153件
出動件数 124件(現場 114件,施設間 10件)

病院前救急診療が効果を遺憾なく発揮した月でありました.ヘリでなければ救命し得なかった事案もありました.消防機関はじめ関係機関の協力があってこそのヘリ事業です.今年度も引き続きよろしくお願い申し上げます.もちろん院内体制ももっともっと質を向上させていきます!

月別の運航状況です.

府県別の運航状況です.
地域の医療事情に応じた要請,出動件数と思われます.
しかし,早期医療介入が必要な事案はまだあるはずです.
遠慮の無いヘリ要請をお願い申し上げます.

消防本部別の要請,出動状況です.

搬送先病院です.
基地病院への収容率は変わらずです.
いつも快い応需をいただき感謝申し上げます.
引き続きよろしくお願い申し上げます.


☆ドクターカー
出動件数 105件(全て現場出動)

但馬4消防本部の救急車出動件数割合の9割を占める時間帯(6時〜23時)の運行です.ヘリ運航時間帯はTECCMC近郊あるいはヘリ対応不可時に出動,ヘリ運航終了後は但馬全圏域に出動し,主にドッキング方式をとる運行形態です.救急救命士の研修の場としても活用されています.

月別の運行状況です.


毎年のことですが,4月は何だか重症度が上がります.緊急手術,ERT, ERLも多く,スタッフ一同フル回転で頑張りました.振り返ると,地域の方々のお役に少しは立てたようです.世間はゴールデンウィーク真っ直中.遠出されます皆様,また但馬に来られる皆様,どうぞお気をつけて!







2012年4月28日土曜日

4月28日 多数傷病者に対応するには.

最近,多数傷病者事案が続いています.ドクターヘリ,ドクターカーで現場に入る事が日常となっているTECCMCのスタッフおよび運航スタッフ間で勉強会を行いました.

まずは事例,実対応の報告をゴールド,シルバー,ブロンズエリア毎,すなわち院内(運航管理室,初療),現場指揮,医療対応に分けて検討を行いました.消防と協力し合い,指揮命令系統の確立と徹底,現場指揮者は最後まで現場に残り対応,統制を行うなどなどの再確認を行っています.

現場は消防が,医者は病院で待っている.そんな昔の考え,対応では本当の救命救急医療は行えません.早期医療介入,現場から消防との協力あってこその地域救命救急医療です.

おまけで,センター長の勉強会講義スライド(スライドショームービー)の抜粋を掲載します.JR福知山線列車事故以来,全国各地でしゃべってきた内容です.どうぞ御参照ください.







2012年4月26日木曜日

4月26日 献花

先日のブログに関して,様々なご意見を賜りありがとうございました.現場に関わる人間の生の声であります.現場は何も変わらず粛々と医療を提供するだけです.そして,見たこと,感じたことを素直に発信,共有,検証するのみです.


本日26日,列車事故の現場に献花へ行きました.本来であれば昨日25日に行くべきでしょうが,勤務のため本日となりました.その場所は7年前に立っていた場所,日本の災害医療に大きな影響を与えた現場でもありました.この7年,DMATが整備され,災害医療に対する医療職の考え方も大きく進歩し変化しました.医療職だけではなく,他にももっともっと変えなければ,変わらなければならない事がある,そう実感させられる献花場でありました.

医療班責任者同士の情報共有.

当時,消防防災ヘリは3機投入されました.
10名以上の患者さんが現場からヘリ搬送されました.
日本の災害現場で初めてヘリが有効活用されました.

そして7年.
今はドクターヘリが日常から有効に活用されています.






2012年4月24日火曜日

4月24日 明日は

明日は4月25日,2005年に列車事故が起きた日です.決して忘れてはならない,忘れられない日でもあります.当時,現場活動を行いながら感じたことは多々あります.

昨日の記事に対する多くの貴重なご意見,拝読いたしました.また,表現の仕方で朝日,読売,毎日新聞が撮影していたという誤解を招いたことは改めて訂正をいたします.ただ院内,処置室前,敷地内を含めた注意喚起が聞き入れられないほどの取材や,他マスコミ各社の霊安室前の無断撮影があったことは事実であり,ルールを無視した過剰な取材に対する抗議の気持ちは変わりありません.

今回の件を検証し,取材に対する院内の対応も見直し徹底いたします.まずは出来ることから,変えられるところから.

2005年から何が変わったのか,何も変わっていないのか,改めて考えさせられた1日でした.







2012年4月23日月曜日

4月23日 マスコミの人間に心はあるのか

本日,京都府亀岡市で悲しい事故が起こりました.当ドクターヘリも出動し対応しています.検証されるべき事項は沢山ありますが,1つの命をすくい上げようと誰しもが全力をしくしました.結果,望まない終末になることもあります.その後のご家族の心のケアには人として,医療者として十分な対応を心掛けております.当然,院内や病院敷地内に勝手に入り込み,勝手に取材,写真をとるマスコミには取材の許可を出しませんし,取材拒否の旨をきちんと伝えております.もちろん必要があれば病院から情報を伝えます.

しかしながら,マスコミ各社の記者たちは霊安室の前にカメラをかまえ,お帰りになるご家族の映像を勝手に撮影していました.再三にわたって取材はお断りの旨を伝えていたにもかかわらず,一番大切にしたい瞬間に,ズカズカと土足で割り込んできました.

ご家族,医療者,関係者の心情を考えられないくらいマスコミの人間の心は腐っているのでしょうか.このブログが多くの方に読まれていることは十分に存じ上げております.だからこそ敢えてここで述べます.

※追記:霊安室だけではなく,処置室前,敷地内含めての記載内容です(一部,誤解ととられる内容,真意が伝わらない部分は訂正・修正しております).皆様の反響をいただき,本件に関するコメントは終了させていただきます.このような事故が二度と起こらないこと,行き過ぎた報道が二度と起こらないことを切に願っております.












2012年4月19日木曜日

4月19日 徒然なるままに思う

桜は満開,素敵な春の日々.

朝来市和田山・竹田城跡の満開の桜.
地上からのお花見はおあずけ.
でも,ふと気がつけば上空からのお花見です.
ランデブーポイントのしだれ桜も満開.
待機中も癒される春の日.


TECCMCがこの地に降りたって3回目の春です.そして気がつけば先日17日でドクターヘリは運航開始3年目に突入です.ドクターヘリが日常診療に溶け込んでおり,スタッフ全員すっかり失念していました^^; ちょっと遅くなりましたが,3年目もよろしくお願い申し上げますm(_ _)m

相変わらず若いスタッフ達は激務の中,本当に良く頑張ってます.そんな頑張りの成果は・・・

先日,外傷性心肺停止で搬入されERLにて救命した若者はご両親と元気に退院されました.

心肺停止からPCPS,脳低温療法を施された患者さんは神経学的後遺症なく経過されてます.

そして,初療には横隔膜破裂,肝損傷,血胸,重症骨盤骨折,後腹膜血腫の患者さん.いつもの救命チームでいつもと変わらぬ外傷診療.予測生存率19%の患者さんはTAE,手術にてちゃんと安定されます.

病院前救急診療,初期診療,血管造影,緊急手術,集中治療と,救急医が他職種と協力しながら一貫したスピーディなチーム医療を展開することで,本当に沢山の方が救われたなあと思う今日この頃です.平均年齢は全国でも若い救命救急センターですが,やっとGOOD TEAMになりつつあります.でもまだまだBESTではないので,日々勉強です.


緊急手術を終え,新年度を徒然なるままに思い返してみました.あ〜,お腹空いた^^; 

視線の先には??
ちなみに,背負っているトーマスバックの重さは10kg.

芝生のランデブーポイントは良い!









2012年4月13日金曜日

4月13日 息抜き〜

今日は13日の金曜日.それが何か^^?


ここ数日は春の日差し.ヘリポート待機中のJA822Hドクターヘリも心地よさそう.

ところが今日だけは「雨模様」・・・でもドクターヘリ,ドクターカーは相変わらず活用していただいております.



















折角の春.桜も一気に花開き良い季節.というわけで,本日はお花見にお出掛けしましょう!との計画.しか〜し!外は午後から「雨」.

本来ならば,こんな綺麗な桜を眺めつつの予定でしたが・・・

pictured by 米田フライトナース

急遽予定変更.というわけでいつものお店で「息抜き&4月は誰が生まれた月?」の会,単なるお花見→飲み会です.

仕事終わってからも参加.
息抜きも必要^^

ここのスウィーツは絶品!

今回参加のスタッフのうち,4名が4月生まれ.ということで,恒例のHappy Birthday songとお店のお子さんに特別参加していただき,ろうそく消し^^ 良い1年になると良いですね.


こんな息抜きも大切.勤務中のスタッフの皆さん,こちらだけ楽しんですみませんです.交代で次回!


TECCMCの面々は仕事後も楽しく生活しております^^ OnとOffがきっちり区別出来るのが救命救急の良いところ.明日からも頑張りましょう!







2012年4月11日水曜日

4月11日 現場に救急医が出向く意義

本日は悪天候にてヘリの出番はありません.代わりにドクターカーで対応です.毎日空を眺めながら過ごしています.ん〜,飛べそうだけど・・・格納庫の中・・・安全第一と言い聞かせつつ,ドクターカーに全てを託します.


ドクターヘリ,ドクターカーで救急医が現場に出向く意義は沢山あるでしょう.そして,それは安全に早くがBESTです.先日の事案・・・

トラクターごと土手を転落し,歯が下腿に刺さったまま,巻き込まれた事案です.現場直近に現場の消防職員の方の誘導で安全に着陸,そこからはダッシュ!救助するにも痛みが強すぎてどうにもなりません.そこで,現場から静脈麻酔(ケタラール,ドルミカム)をかけて疼痛制御,その間に救助を行います.患者さんは痛みを感じず,救助隊は速やかに救助作業が行われ,結果的に最速の搬送が可能となります.



救急医が現場に行く意義は,こんなところにもあります.もちろん,出血の制御,初期輸液などは言うまでもありません.


さて,今月からは新たなフライトドクターの組み合わせが見られます^^ この二人はそれぞれ1年間で150フライト以上をこなしている救急医です.医療知識,技術はもちろんのこと,現場の統制能力,判断能力,他機関・スタッフからの信頼などなどが認められて,はじめてfirst flight doctorに昇格です.量,質ともにこなせるTECCMC's doctor heli. 今年度は何人のfirst flight doctorが誕生するでしょうか.楽しみです.

あ,どうも,クロブッチー・前山です (-0-0-)
あ,どうも,お茶目すぎるイケメン・長嶺です.
帰投中,気合いを入れ直す二人でした.












2012年4月9日月曜日

4月9日 緊急手術に踏み切る

acute care surgeonに必須である技術,知識は,
・外傷手術(頭,胸,腹,骨盤の創外固定)
・急性腹症を含む各種緊急手術
・血管造影,TAE
・術前,術後の集中治療
・手術適応を身体所見,画像所見から決定
などと考えております.

上記の中で,一番難しいのは「手術適応の決定」です.特に急性腹症の手術決定は難しい!何年この仕事をやっていても診断に難渋すること,画像所見と身体所見の乖離が見られることなどなど経験します.

腹部所見のはっきりしない絞扼性イレウスなどはもう何例経験したことでしょう.CT所見も初回でははっきりしないこともあります.

negative laparotomyは0にしたい.手術に至った根拠がしっかりあることが大切です.1例1例が勉強です.臨床をやればやるほど奥の深さを痛感します.

連日の緊急手術を振り返り,つれづれなるままにつぶやいてみました.





2012年4月8日日曜日

4月8日 約束


快晴!気持ち良く朝の点検終了.明るい日差しがJA822Hドクターヘリに降り注ぎます. 








今日のヘリ番は小林,前山先生,林田看護師.朝はヘリ要請もなく,病棟回診,病棟業務に勤しみます.ICU/HCUは相変わらず大繁盛.院内各病棟に協力していただき,何とか空きベッドを確保.救急不応需率ほぼ0%はこんな協力体制があるからこそです.感謝m(_ _)m

指示出し,カルテ書きも一段落した直後にヘリ要請の一斉PHSが鳴ります.思えばこれが全ての始まり・・・

☆ドクターヘリ1件目
覚知同時要請.
要請内容:墜落

ランデブーポイント着陸後に医療スタッフは現場へ.現場活動中の救急隊と接触,外傷初期診療開始です.その時,現場活動中に携帯が鳴ります.「別事案要請です・・・」 重症頭部外傷,きちんと初期診療を行いつつヘリ搬送!

☆ドクターヘリ2件目
覚知同時要請
要請内容:転落

1件目の患者さんをホットローディングでTECCMCへ搬送し,2件目の事案へ.救急隊は現場から少しでもTECCMCへ近いランデブーポイントへ移動してくれてます.外傷は全てTECCMC搬送なので,ミッション構築はやりやすい地域です.

☆ドクターヘリ3件目
覚知同時要請
要請内容:バイクとバスの衝突

これは本当にヤバそうと判断し,機内でいろいろ準備.現場上空へ到着すると同時に,「初期評価,全身観察問題なし.ヘリはキャンセル.」の無線.機内に安堵の空気が流れます.まずは救急医を現場に引っ張りだす.そして不要なら遠慮なくキャンセル.ドクターヘリは救急医療システムの1手段という認識が浸透している地域です.

☆ドクターヘリ4件目
救急隊現着後要請
要請判断基準:呼吸,循環の異常から搬送中の治療が必要

救急隊の的確な観察,評価に基づく要請です.当MC協議会で一番重要視していること.それは「観察→評価→処置→再評価」を的確に行うこと.それがなされた事案です.喘息発作にテオフィリン中毒.治療しながらの搬送です.

☆ドクターヘリ5件目
覚知同時要請
要請内容:急に倒れた

脳卒中疑いです.脳梗塞なら「時は脳なり」.血栓溶解療法の適応判断と時間短縮,これが我々の仕事です.ランデブーポイントで救急隊とドッキング,幸いにもCPSS, KPSS共に軽快しています.ちょっと一安心・・・と思いきや,別事案要請です!本事案の患者さんは救急隊だけで直近の病院へ搬送をお願いします.

☆ドクターヘリ6件目
覚知同時要請
要請内容:転倒し嘔吐

5件目のランデブーポイントから6件目のランデブーポイントへ.そして支援車にピックアップされ現場投入です.現場から外傷初期診療開始.やはり意識状態が悪いか・・・迷わずTECCMCへ.ヘリポートからdirect CT,「あっ!!これは!!!」もう少し搬入が遅ければヤバい状況に.初療でしっかりと安定化し緊急手術へ.ヘリが後遺症軽減に寄与するであろう事案です.

☆ドクターヘリ7件目
覚知同時要請
要請内容:意識レベル低下

ランデブーポイントで通常通りに救急車とドッキング.ドッキングから離陸まで10分もかかりません.現場からの医療介入に家族説明.通常のミッションです.

☆ドクターヘリ8件目
覚知同時要請
要請内容:意識レベル低下

ランデブーポイントで通常通りに救急車とドッキング.すると別事案の要請が入ります.どうやら別事案の状態が悪そう?そんな感じです.であれば,本事案は速やかに搬送.救急隊も慣れたもの.状態が安定していることをさっと確認し,機内へ.機内でルート確保しつつTECCMCへ.TECCMCのヘリポートでホットローディンの引き継ぎ.JA822Hドクターヘリは夕焼けの空へ舞い上がります.

☆ドクターヘリ9件目
覚知同時要請
覚知内容:急に倒れた

詳細は入ってきませんが,かなり救急隊は焦っている模様.どうやら「ショック」のようです.一体何のショック??と考えつつ輸液などの準備.ランデブーポイントで救急車に乗り込み診療開始.病歴を聞くと,スノーボードで数時間前に転倒,左側胸部を打ったとのこと.その後の帰宅中に突然倒れたとの情報です.そんな情報を聞きつつ初期診療・・・気道開通,努力様呼吸,頻呼吸,冷感著明,湿潤あり,頸動脈で脈は微弱に触知,そしてFAST ドpositive!!これはヤバい,心停止一歩手前です.末梢ルートを16Gで確保,輸液開始,そして機内へ.機内収容し,TECCMCホットラインを鳴らします.「腹腔内出血,ショック,ERLの準備,緊急輸血の準備,岡先生,永嶋先生スタンバイ,三浦先生も呼び出し!」ヘリは離陸,飛行中に経口気管挿管,そしてもう1本末梢ルートを確保.しかし,頸動脈は徐々に弱くなります.やばい!開胸してクロスクランプか,と同時にTECCMCへリポートへ着.と同時に別事案要請.ホットローディングでこの患者さんを小林がそのまま初療室へ.前山先生だけが次の事案へ.要請終了時刻ギリギリの離陸です.

☆ドクターヘリ10件目
覚知同時要請
要請内容:呼吸困難

一番近いランデブーポイントへ.飛行時間は30秒.そして支援車で現場へ.救急車で10分以上搬送にかかる地域外は全てヘリ対応.10分圏内はドクターカー対応.全ては消防の判断.頼りになる消防本部です.前山先生は今センターで起こっているであろう事態を考えつつ現場対応.そして搬送.


ドクターヘリが最終要請対応中,TECCMCの初療では・・・

ヘリポートから初療へ搬入する間にPEA.胸骨圧迫しつつ初療室へ.初療室では岡先生がすでに清潔になっており,手術室スタッフもスタンバイ済み.止血さえ得られれば必ず心拍は再開します.まだ心臓は動いています.受傷機転,身体所見から脾損傷が強く考えらられる状況.開胸してクロスクランプもありですが,うちは一気に止血が得られる視野を展開します.crush laparotomyそして横隔膜下,小網越しに下行大動脈を脊椎に押しつけてクランプ.そのまま腹腔内の4ポイントにガーゼパッキング.輸液,緊急輸血でボリュームを一気に入れて・・・心拍再開!初療搬入から心拍再開までは約3分.2年で良い外傷治療チームに成長したものです.後はmassive transfusion protocolで輸血を行いつつ完全止血術完了.


次の日,無事に抜管された患者さんに,「ちゃんと救急車の中で助かるって約束したでしょ.約束は守ったよ.」その言葉に親指を立てて笑顔で応えてくれました.初療搬入時の予測生存率は約8%.また元気にスノーボードをするそうです.救急医が一番嬉しく,疲れを忘れる瞬間です.


気がつけば,ヘリ要請12件,出動10件でした.重複要請でヘリの出動が出来なかった2事案はドクターカーが対応しています.空から陸から救急医が患者さんのところへ駆けつけます.それをしっかりと有効活用している消防本部.これからもさらにブラッシュアップして,地域に貢献出来ればと思います.よろしくお願い申し上げます.


本日のおまけ画像は・・・

小高い丘の上のヘリポート.
芝生化されるそうです.

もうすぐ桜咲く公園.
心地よい風が吹いています.





2012年4月6日金曜日

4月6日 春です

20数年ぶりの豪雪に見舞われた但馬地域も,ようやく春の日差しです.桜の開花はもうすぐそこ^^



センター内の診療,ドクターヘリ,ドクターカーとフル回転中!

4月4日 ドクターヘリ6件出動,ドクターカー1件出動
(ヘリ番:番匠谷先生,永嶋先生,福本看護師,カー番:松井先生・前山先生)
4月5日 ドクターヘリ6件出動,ドクターカー0件出動
(ヘリ番:小林,前山先生,米田看護師,カー番:永嶋先生・長嶺先生)
4月6日 ドクターヘリ5件出動,ドクターカー3件出動)
(ヘリ番:小林,長嶺先生,藤巻看護師,カー番:前山先生・三浦先生)

連日の緊急手術,緊急TAEと,やはりこの時期から外傷事案が増えてきます.また,1時間の心肺停止(難治性Vf)からPCPS,脳低温療法を経た患者さんが目覚められました!独歩での退院が可能なほど回復されています.ご家族もスタッフも大喜び.患者さんが回復されるのは,何ものにも代えがたいものです^^


☆ドクターヘリの事案

<傷病者3名,交通外傷>
覚知同時要請.ランデブーポイントから支援車で現場へ.現場からの外傷初期診療開始!ヘリでのピストン搬送?救急車での分散搬送?現場では様々なミッション方法を考えながらの活動です.

<今年度初フライトは「置き去り・・」>
覚知同時要請.今年度初フライトの前山先生.飛行中に別事案の要請.ランデブーポイントに一人降ろされ,救急車で直近の病院へ搬送です.ヘリはそのまま別の重傷事案へ!

そう前山先生,今年度も置き去りにされて右に出るもの無し!でも,患者さんのためになっているから言うこと無し!!

<血が・・・>
覚知同時要請で,2件連続の消化管出血事案に出動です.要請内容は「意識朦朧」.出血は早期の医療介入と搬送時間の短縮が有効かつ必須です.消防の指令課員の皆様は今年度も冴え渡っておられます.

<ドクターヘリ,救急医だからこそ!>
重傷外傷は1分1秒早い医療介入が予後の直結します.まさにそんな事案が2連続.

墜落外傷.ランデブーポイントで救急車とドッキング.shock index>1, FAST positive!緊急手術,緊急TAE,緊急輸血が可能な救命救急センターでなければ救命は困難でしょう.迷わずにTECCMCへ.TECCMC編入後はdirect trauma CTからTAEへ.番匠谷先生,永嶋先生コンビであっという間の完全止血!

墜落外傷事案の搬送中に別の滑落事案の要請.ちょうど飛行経路途中であり,重傷外傷が疑われたため,まずは医療介入を優先させ,フライトドクター,ナースを1名づつ降ろします.ヘリは前事案の患者さんをTECCMCへ搬送後にピストンで本事案に戻ってくるミッション.支援車で現場投入されたフライトドクターが遭遇した患者さんは,下顎骨折からの出血で気道確保困難,両側気胸で低酸素状態!!あと数分遅ければ・・・非常にやばい状態.救急車内へ収容し,外傷初期診療開始!ドクター,ナース,救命士の良好な連携,気管挿管,両側胸腔ドレナージ,初期輸液・・・ドクターヘリが向かえに戻り,救急車の後部ドアを開けた瞬間,フライトドクターの「助けましたよ!!」の心の叫びが聞こえてきました.nice mission!!


他にも沢山の「覚知同時要請」だからこそ早期医療介入がなされた事案が沢山あります.外因性も内因性も災害事案も,どんどんご活用下さい.


上空から現場を探す.
無線で消防とのコンタクト.

春の日差し,ヘリポートにも.


☆ドクターカー

<ドクターカーにもAutoPulse搭載>
事案によっては長時間搬送となる当地域.ドクターカーにもAutoPulseが搭載されました.早速,活用です.搬送中に絶え間なく,同じ質で胸骨圧迫出来ることは良いことです.何よりも救急隊員の手が1人空くことは大きなメリットです.


さあ,気合いを入れて頑張るのよ! by DR.BAN


皆様,お疲れ様でした.引き続きよろしくお願い申し上げますm(_ _)m








4月6日 春です,その2(歓迎会)

但馬救命救急センターの歓迎会開催!!救急医も看護師も一緒にWELCOME!!共に頑張りましょう〜^^


はい,まずは武井先生.TECCMC黒縁眼鏡隊の1員となられました.素敵なキャラです^^ 


そして,佐々木先生.TECCMC2人目の女医さんメッサー.日々勉強だね〜^^


それから看護部.3名の新入職者の皆様です.末永くよろしくお願いします.



新人さん.指導者さんと一緒に.

3月に入職した私も載せて〜
ここも指導者さんと一緒に.

明るくて,とっても良いチームだねえ.沢山載せたい写真がありますが「自主規制」^^; こんな素敵なチームの仲間になりたい医師,看護師の皆様,TECCMCへ集合〜!






2012年4月5日木曜日

4月5日 贈り物

心温まる贈り物をいただきました.

現代短歌・南の会「梁」という短歌集の中に「ドクターヘリ」という歌が掲載されています.当センター長嶺先生のお父様作です.短歌集と共に贈呈いただきました.ありがとうございます.

許可を得て掲載しております.

また,一般市民の方からドクターヘリ,ドクターカーの安全運航・運行を祈念して,お守りをいただきました.ありがとうございます.早速,機内,車内へ搭載いたしました.安全には十分に気をつけて,日々の業務に邁進いたします.



本当に多くの方々に支えられ,励まされる毎日です.今後ともよろしくお願い申し上げます.今日は嬉しいお知らせでした.





2012年4月3日火曜日

4月3日 嵐にも負けず

本日,但馬地域含む北近畿は嵐・・・風速が台風を越えてます (@_@;) 当然,ドクターヘリは格納庫の中.でもドクターカーは嵐にも負けずに6件の出動!

ICU内はいつも通りに熱い治療が行われています.


患者さんもスタッフも頑張れ!!


春一番にしては強すぎる「嵐の1日」.桜前線は何処へ・・・^^;





2012年4月2日月曜日

4月2日 NEW FACE参上!

TECCMCに二人のNEW FACEが加わりました.

♂武井隼人・・・4年目,専攻医
♀佐々木妙子・・・4年目,専攻医

今日は1日オリエンテーションで退屈だった模様.明日からはガンガン臨床して下さい!二人の画像は後日追々アップしていきます.さて,どんなキャラでしょうか^^ 


本日のドクターヘリはセンター長,井手先生,林田看護師,ドクターカーは早番・岡先生,遅番・永嶋先生が担当です.

あっ,どうも・・・
今日,ヘリ番のTECCMC 井手と申しますm(_ _)m

☆ドクターヘリ

☆1件目(覚知同時要請)
要請内容:小児,呼吸なし,意識なし

晴天の中,ドクターヘリはランデブーポイントへ飛びます.小児事案.機内では様々な状況を考えた準備.


ランデブーポイントで救急車とドッキング.幸いにも熱性痙攣だった模様.最悪の状況を考え,キーワードでドクヘリ同時要請した消防本部,すばらしい!


☆2件目(覚知同時要請)
要請内容:転倒,胸部痛,冷や汗

外傷後の「冷や汗」.指令員は迷わずにドクターヘリ同時要請.結果的には肝損傷.この事案も迷わず覚知同時要請を行った消防本部,言うこと無しです^^


☆3件目(覚知同時要請)
要請内容:呼吸苦

良い季節になりつつあります.気持ち良く青空の下,ドクターヘリは覚知同時要請でランデブーポイントへ.救急車の到着を待つ井手先生.OJT中ですが,無線も現場対応も少しずつ余裕が出てきました.


そんな井手先生は,幸いにも呼吸状態が落ち着いた患者さんを,直近の病院へ同乗搬送するために一人救急車に乗り込んで行かれました.自力でのお戻りを.


☆4,5件目(重複・連続対応事案)

痙攣重積状態で救急隊現着後要請.ドクターヘリがランデブーポイント着陸と同時に救急車も滑り込んできます.救急車内で痙攣継続中の患者さんに抗痙攣薬の投与.痙攣は早期に止めなければなりません.病院まで20分以上かかる地域,まさにヘリの効力発揮です.

痙攣の患者さん対応中に同じ消防本部管内からの重複要請です.痙攣の患者さんは井手先生は救急車同乗で病院搬送.痙攣の制御さえ出来れば陸送でも対応可能です.次の事案の要請内容「急に倒れて半身麻痺」,こちらは早期搬送が優先される事案,よってヘリ対応を選択します.

2 flight doctor制はこのように重複時にも臨機応変な対応が可能となります.

救急車搬送に同乗する井手先生をドロップし,センター長,林田看護師は次の事案に向かいます.

ランデブーポイントに着陸.すでに救急車は到着しています.早速,車内での初期診療開始!これは・・・脳出血を強く疑う状況です.嘔吐を繰り返し,不穏の状態でもあります.速やかにルート確保,降圧剤,鎮静剤などを投与し速やかにTECCMCへ!!

現場からの血圧コントロール,ヘリによる早期搬送が患者さんの後遺症軽減に直結した事案です.


◇ドクターカー

ドクターカーは4件出動.1件は直近の病院が受入可能にてキャンセル.1件は墜落外傷でTECCMC搬送途中にドッキング.救急車内で外傷初期診療を行いつつdirect trauma CTへ.搬送時間が長時間になる当地域ならではのシステムです.後の2件は連続対応.しかも総ミッション時間は3時間!!夜間になると救急受入不可の病院が増える当地域.救急医が現場あるいは途中ドッキングする意義は非常に高くなります.この長時間ミッションをこなした永嶋先生曰く,「病院前救急診療は良いね〜^^」 患者さんのためになりますから.お疲れ様でした.


NEW FACEを加え,さらにパワーアップしたTECCMC.今年の活躍にも乞うご期待下さい!






2012年4月1日日曜日

4月1日 2012年度始まり!

怒濤の年度またぎ初療が一段落すると,2012年度が始まっていました.気持ちも新たに,気合いを入れ直して今年度も邁進したいと思います.

朝の回診後,診療開始!



新年度最初のヘリ番はセンター長,岡先生,林看護師.ドクターカーは早番・松井先生,遅番・岡本先生.


☆ドクターヘリ

☆1件目(覚知同時要請)
要請内容:乗用車単独事故.大破.

1発目の出動は“覚知同時要請”.今年度も当たり前の事を,当たり前にやっていけそうです.


ヘリが現場上空到達と同時に救急隊が現場到着.救急隊の活動を救急医が上空で見守る,まさに理想的な展開です.患者さんの状態が切迫していれば,現場直近に着陸し医療介入を優先すれば良いでしょうし,比較的余裕のある状態であればランデブーポイントに着陸,ドッキングといった選択が可能になります.


救急隊の評価は,初期評価異常なし,全身観察で胸部外傷の疑いです.であれば,安全を優先に考え,ランデブーポイントに着陸,救急隊とドッキングとします.救急隊とドッキング後はいつも通りに救急車内で外傷初期診療開始.状態の安定化をはかりTECCMCへ.ヘリポートからのdirect trauma CTは変わらぬ戦術です.


☆2件目(覚知同時要請)
覚知内容:胸部不快感,息苦しい

1件目を搬入した後,2件目の要請です.情報は覚知内容だけ.機内では林看護師が黙々と準備を進めます.

ランデブーポイントの漁港に着陸,救急車の到着を待ちます.まだまだ海からの風は冷たい・・・


少々冷えた体で,到着した救急車内での診療開始.って,患者さんの第1印象は「sick!!」 心電図ではトルサデポワ〜ンらしき波形!? 冷えた体が一気に熱くなりました!薬剤投与,心電図検索,エコー.現場で出来ることは限られています.とにかく根治的治療が必要です.飛行中もモニタリングをきっちりおこないつつ,薬剤投与を行いつつ,直近の救命救急センターへ搬送です.

不整脈,奥が深いことを再認識した症例です.


☆3件目(覚知同時要請)
要請内容:意識レベル低下

救急隊現着後,軽症キャンセルです.早期医療介入が不要と判断した段階でのキャンセル大歓迎です.まずは救急医を現場に引っ張り出すこと,これが大切です.適切な要請,現場判断の1例です.


◇ドクターカー

ドクターカーは4件出動.2件は出動後,軽症キャンセル.1件は脳出血事案で,そのまま緊急手術.1件はCPA事案.4件とも覚知同時要請で,有効活用されました.ヘリでもカーでも早期医療介入は気道,呼吸,循環管理が病院前から施行され,患者さんにとって非常に有効なシステムです.


院内は,永嶋先生,番匠谷先生で緊急手術対応.平均年齢は若返ったTECCMC.その代わりに活動性は飛躍的に↑↑↑ ^^ 


今年度も各関係機関の皆様と協力しながら,救急医療に邁進,精進いたします.どうぞよろしくお願い申し上げます.