記録的な豪雪であった今年の冬,もう雪はうんざりと思う今日この頃.但馬地方にも春の訪れです.ドクターヘリには青空が似合います.
山間部ではまだまだ積雪の残る所もあります.今年も雪上着陸にマーキングの「バスクリン」が大活躍です.この活用は大変ありがたい!ちょっとしたアイディアが人命救助につながります.
積雪の残るグラウンド着陸.まずは安全に医療スタッフを降ろすことを考え,圧雪地にホットローディングで着陸,医療スタッフは救急車へ.医療スタッフが降りた後は再離陸し・・・
ストレッチャーで患者さんをヘリに乗せ易いよう,除雪された通路へ再着陸.医療介入を早期に実現させ,その間に搬入時間,手間の短縮を図るための配慮.運航スタッフと消防の協力あってこそのドクターヘリ事業です.お陰で現場滞在時間を短縮することが可能となりました!
天気が良くなれば人の動き,行動も活発になります.スキー場事案,交通事故事案などが増えてきます.そして,山岳事案も・・・今回はなかなかハードな事案.覚知同時要請でヘリは飛び立ちます.「山中での滑落.男性.詳細は不明.」 ヘリは20分弱で現場上空へ.まだ救急隊は現場へ入っていないようです.
ランデブーポイントに着陸し,支援車で現場へ.そこで救助隊,救急隊と合流しミッション内容などにつき協議です.現場は谷の下.アプローチは可能.ということで医療スタッフも現場に向かいます.もちろん,日常から長袖,安全靴は装着,皮手袋,ヘルメットも装着です.自分が傷病者になってはいけませんから.
2回の川渡,歩くこと十数分.現場に到着です.谷底に患者さんは横たわっています.向かいの崖を滑落した模様.
ランデブーポイントに救急車で移動し外傷の緊急度,重症度から直近の基幹病院へ搬送,快く応需していただきました.幸いにも搬出中に急変はありませんでしたが,その可能性もある事案,早期からのドクターヘリ要請,医師現場要請が有用であった事案です.
TECCMC'sドクターヘリは現場出動が主な役目ですが,緊急度の高い患者さんの施設間搬送も行います.急性大動脈解離,心タンポナーデ.TECCMC救急車搬入時はショック!心エコーで心嚢液貯留あり!!心嚢ドレナージを行い,廃液量を制御しつつ血圧コントロール.循環を安定化させてからの画像検索.確定診断後は鎮静,鎮痛,挿管管理,そして血圧コントロール.経験豊富な救急医があっという間に安定化です.あとは根治的治療可能な施設への早期搬送.専門施設が快く応需して下さいました.ドクターヘリは直近のグラウンドまで25分でフライト.消防機関の快い協力を得て,無事患者さんを引き継ぐことが出来ました.やはり消防の迅速かつ快い協力あってこそ,救命の連鎖がしっかりとつながります.ランデブーポイントに来てくれた,千里時代からの旧知の救命士さんの存在は心強かった〜 関係された多くの皆様,本当にありがとうございます.
ドクターヘリ,ドクターカー共に日々粛々と活動,活躍しております.これからもどんどんと有効にご活用下さい.
病院前だけでなく,病院内もちゃんと診療しておりますよ^^ 緊急手術,集中治療,初療対応・・・日々勉強になります.志を持った医師,看護師の皆様,どうぞTECCMCの門を気軽にたたいて下さい.一緒に学びましょう!!