ある夜,センター長,永嶋先生が初療担当夜勤でした.比較的のんびりとした初療で,初期研修医の先生がWALK INの患者さんを診察,永嶋先生がコンサルタントで指導しています.
その静寂をやぶるかのようにホットラインが鳴ります.「男性,閉じ込め事案.救出までにはまだ時間がかかります.胸部外傷などが疑われます.Trauma BypassでTECCMCへの事前受入の問い合わせです!」 当センターのドクターカーの運行エリアに入っていない地域からの問い合わせです.ドクターカーは出動不可ですが,受入の答えはもちろん「OKです!」
しばらくして再びホットラインが鳴ります.「救助完了!冷感,湿潤がみられます!!搬送します,よろしくお願いします!!!」 センター長,永嶋先生はナース達と受入準備を行いつつ,ドクターカー勤務の三浦先生も初療に呼び出します.
救急車到着.永嶋先生は救急車まで患者を迎えに行き第一印象・・・「ショック!」
初療に搬入しprimary survey.JATECインストによるリアルJATEC.ABCDEの評価は一瞬です.「FAST pericardiac effusion positive!」とセンター長,と同時に永嶋先生は頸静脈怒張を確認します.両側の上腕に16G針を三浦先生は留置,Cの異常は改善傾向なし,むしろ徐脈傾向に.「開胸するよ!」センター長,永嶋先生は同時に指示します.三浦先生は気管挿管,麻酔の準備.そして,外傷医・岡先生,麻酔医・前山先生の呼び出しも同時に行います.
初療搬入から数分,心破裂の根治的治療が開始されました・・・
数日後,TECCMC ICUで元気におしゃべりされる患者さんがおられました.まさにTrauma Bypassが奏効した事案です.現場の救命士の判断,若い命を救い上げました.今後はドクターカーの運行エリアに入っていただき,さらにより良い医療体制を構築できればと思います.
TECCMCの日常画像集^^
元祖師弟コンビの岡先生,三浦先生.一緒にいるのは濱副師長(フライトナース).この日のヘリ機内は濃い〜空気だったようです.
医療スタッフが現場に投入されている間は住民の方への見学会&写真撮影会.身近な医療システムとしてのドクターヘリにご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます.
機内の医療スタッフ.真剣な表情の長嶺先生,ミッション終了し安堵の清水看護師.タイミングで寝てるように見えるだけだよ〜って言っておられました.誰も突っ込んでないのに^^;
現場の永嶋先生,安積看護師.初療搬入後は診療と共にヘリ記録作成にカルテ記載.事案が重なると大変です.
初期研修医の先生に指導する武井先生(左),前山先生(右)の黒縁コンビ.いろんな事を指導医のもと,経験して下さいね.指導医も日々勉強ですね^^