2013年4月8日月曜日

4月8日 ERL & ERT

TECCMCが立ち上がって丸3年が経過し,4年目に突入しています.診療開始当初は初療室での緊急開胸(ERT),緊急開腹(ERL)は珍しがられました.でもこれでなければ救命不可能な命があることは確かであり,その成果・結果は学会などで発表しています.初療室に手術室機能を有する部屋も出来ました.逆に考えれば,ERL, ERTが出来ない,する体制でない,緊急輸血体制がない施設に重症外傷例を搬送してはいけないということでしょう.あっ,当たり前のことでした.失礼しましたm(_ _)m


ホットラインが鳴ります.TECCMCへの紹介,ヘリの施設間搬送の依頼です.「腹腔内出血,ショック,緊急手術をお願いします!」 もちろん,応需です.「紹介状も画像も間に合わなければ要りません.ヘリはすでにエンジンスタートしています.」問い合わせの電話も終わらないまでにドクターヘリは空に舞い上がります.ドクターヘリの帰投時間を計算しERLの準備が始まります.もちろん輸血の準備も.

(画像は別事案のものです)

数十分後にドクターヘリはTECCMCのヘリポートへ着陸,ヘリ機内・飛行中に気管挿管された患者を乗せたストレッチャーは2分後には初療オペ室へ.

麻酔,ライン確保,検体採取,カルテ記載,そして術者と救急医達は各々の役割をこなします.そして周りをきっちりサポートするナース達・・・数分後にはERL開始,用手的に腹部大動脈を圧迫,遮断しつつガーゼパッキング.出血源を検索し一気に止血と汚染源の除去完了.再建は後日です.まずはdamage control.

その夜,もう一つの緊急手術が終わってICUに行くと「安定しています」と,ICU/HCU担当の救急医が報告してくれました.


とある新年度の1日の一コマでした.


青空の1日,気持ち良く過ごしたいものです.海風はまだまだ寒い・・・


でも桜にツクシに確実に春の日々です.



覚知同時要請の良さはランデブーポイントから支援車で現場まで行くことが出来ること.消防の方々の理解と協力の賜です.現場から医療が始められること,これこそがドクターヘリの究極の目的ですから^^ 墜落現場にヘルメットは必須.



今年度も思いつくまま,気の向くままにTECCMCの日常をお伝え出来ればと思います.