2018年3月27日火曜日

3月27日 重症外傷も多職種勉強会も

前山先生からの投稿です.

晴れた春の日,ドクターヘリが挟まれ外傷要請に飛び立ちました.救出に30分以上かかる現場,挟まれた部位からは持続的な出血を認め頸動脈がわずかに触れるショック状態!


救急救命士が特定行為で静脈路を確保し輸液を行ってくれています.まだ虚脱した末梢静脈でしたが,追加の静脈路を18Gで清水フライトナースが確保!非常に足場が悪い中,片足立ちで体をひねりながらの気管挿管.救急医の腕とAirway Scopeの真髄が発揮された瞬間です.医療行為,治療と同時に救助活動が続きます.「OK!!」救助隊の声と共に救助された傷病者を安全な場所へ移動,出血部に止血ガーゼを詰め込んでヘリ収容します.

ヘリ内でFASTを施行しながら,「出血性ショック,ショックモード+REBOA準備ーーー」の一言だけTECCMCに連絡します.TECCMCのヘリポートにドクターヘリが着陸,5名の救急医が待ち構え,あっという間に手術,IVRと蘇生完了!あとは集中治療で引き続きの安定化と後遺症軽減に向けた治療が行われます.

フライトドクター接触時の予測生存率23%.救急車による陸送に比べ,医師による医療介入は50分以上短縮され搬送時間も40分以上短縮されました.いつもながらの消防力,ドクターヘリの活用,基地病院の救命救急センタースタッフの体制・能力が十二分に連携,発揮され救命につながった事案です.重症外傷の救命事案は当たり前となった地域ではありますが,関係機関のseamlessな協力が常にあってこそとあらためて実感した前山 (-0-0) でした.関係された消防の皆様,スタッフのみんな,本当にありがとうございました!

帰院後は自らの洗浄も大切なお仕事.泥落とさないとね.


そんな外傷診療を速やかに終了し,本日は今年度最後のTECCMC多職種勉強会.テーマは「子供の見方!」後藤先生,小児ナースチームから熱っっっっっっい講義と実技実習を頂きました.あざーす! 


小児の集中治療管理,虐待,実技も含めて大変勉強になる勉強会でした.来年度も臨床実践に直結する多職種勉強会を企画します.

本日もお疲れ様でした.