何が問題かは,レーダー運用に伴う飛行制限区域にドクターヘリのランデブーポイント,飛行経路が含まれていることです.レーダー運用中は飛行制限区域にヘリが入られないということ,すなわち迂回あるいはランデブーポイント変更に伴う医療介入の延長が生じるということです.早期医療介入が目的のドクターヘリミッションを妨げることになります.
もちろん米軍はドクターヘリ,その他の人命などに関わるヘリミッション時にはレーダーの速やかな停波を行うことを表明しています.そのことは新聞でも報道されています.しかしながら,停波手続きの運用方法,どれくらいの時間で停波可能かなど不明確なところもありました.そこで本日の会議では近畿中部防衛局の担当者から「速やかな停波とドクターヘリを含む各ヘリミッションに絶対に支障を来さないこと,今まで通りの運航,ミッションを確約する」結論が導き出されました.11月1日からのレーダー運用ですが,それまでにこの結論に向けた各論的な部分を決めていただきます.関係地域の皆様,レーダー運用開始後も何ら変わらぬドクターヘリ事業が行われます.ご安心下さい.
このような会議中に山岳救助発生です.番匠谷先生,藤原先生が現場に飛びます.現場直近に着陸,関係者の軽車両で山中へ.なかなか厳しい現場でしたが,フライトドクター研修中の藤原先生が最後まで対応してくれました.藤原先生のTECCMC帰院は20時を過ぎてましたが,これもまた経験です.
ドクターヘリが山岳救助事案対応中の重複対応はドクターカーで行います.痙攣重積事案では痙攣の早期頓挫に効果発揮です.また,藤原先生を現場にドロップした後は前山先生が代わりに搭乗.番匠谷先生とのダブルファーストドクターで通常通りのミッションを遂行してくれました.
先日,当方でご講演いただいた多田先生が県立広島病院救命救急センターブログ(←こちらをクリック)にその時のことを載せてくださいました.是非ご覧下さい.