2012年1月18日水曜日

1月18日 ロングフライト,ICUでは・・・

午前中は比較的のんびりとしたTECCMC.天気も良く,ドクターヘリも心地よさそう.



しかし,その静寂をやぶるホットラインです.本日のヘリ番は岡先生,番匠谷先生,林田看護師.ヘリポートにダッシュ!

☆ドクターヘリ1件目(救急隊現着後要請)
要請基準:観察結果,骨盤骨折疑い
推定医療介入短縮時間:20分


救命救急センター・外傷センターの無い地域からの要請です.直近の2次病院に搬送した場合を想定すると,推定医療介入短縮時間は20分となります.しかし,重症外傷が疑われる場合は「Trauma Bypass」が必要です.TECCMCから距離もあり,ヘリ要請してから救急隊の観察結果で要請継続かキャンセルかを決まる方が,患者さんにとって有益であることは言わずもがなでしょう.覚知同時要請であれば,あと10分は医療介入が短縮可能です.本事案はTECCMC搬送,緊急手術となっています.

遠慮無く同時要請,遠慮無くキャンセル,の精神でよろしくお願い申し上げます.

☆ドクターヘリ2件目(覚知同時要請)
要請キーワード:高所からの墜落
推定医療介入短縮時間:30分

飛行時間40分.しかし,救急隊も現着に時間を要する地域です.もちろん直近の救命救急センターまでは1時間以上を搬送に要する地域.早期医療介入を考えると,非常に的確なヘリ要請です.ランデブーポイントで外傷初期診療を行い,速やかにヘリ搬送です.

ミッション終了後のひととき.標高1709mの大山(だいせん).


センター長,岡先生の母校と大山をバックにお疲れ様.ちなみに番匠谷先生はロングフライト率No.1です^^


☆ドクターヘリ3件目(覚知同時要請)
要請キーワード:高所からの墜落
推定医療介入短縮時間:40〜50分

2件目からの帰投中に要請です.救助事案.ランデブーポイントから支援車で現場へ.これこそが,病院前救急診療,早期医療介入の極みです.外傷初期診療開始!ヘリで救命救急センターへ搬送です.


現場,ランデブーポイントでの診療時間は最長10分.より早く安定化させ,根治的治療にもっていくことが最大の目的なのです!


ドクターカーは午前中が三浦先生,午後〜夜が前山先生が担当です.3件出動.3件ともに覚知同時要請.1件はヘリとの同時出動です.ヘリでもカーでも早く現着した方が医療介入を行えば良い.空と陸の同時進行.TECCMCはドンドン病院前に飛び出します!


病院前救急診療を行っている間,もちろん院内では救命治療が行われています.岡先生,番匠谷先生がフライト中,ICUでの緊急開腹手術.移動のリスク,CHDFの継続,救急集中治療の継続を考えると選択肢はこれしかありません.センター内には超緊急手術に迅速に対応出来るよう,手術セットが用意されています.看護師はそれを展開するだけ.永嶋先生,小林センター長,三浦先生で執刀,麻酔は池田先生,前山先生,そしてフライトから戻ってきた番匠谷先生が外回りのフルサポートです.


広範囲壊死,出血,カリウム上昇,アシドーシスの進行・・・スタッフ一丸となって救命に挑みます.そして,今宵のICU担当・池田先生の長い長い夜の戦いが始まります.


夜が平和でありますように.