2011年9月23日金曜日

9月23日 覚知同時要請の威力

本日は久しぶりに午前中はさわやかな天気になりました.運航に支障のない1日になりそうです.本日は小林,松井先生,福本看護師がヘリ番です.

山間部から日本海を望む

 給油で立ち寄った鳥取空港にて その1

給油で立ち寄った鳥取空港にて その2


朝一番から「胸痛」のキーワード,覚知同時要請です.しかも2連続.両事案ともに心電図でST上昇を伴う急性心筋梗塞,STEMIです.発症から再潅流までの時間が心筋ダメージに直結します.両事案共に現場から病院まで30分〜50分かかる地域です.119番通報からだとさらに時間を要します.覚知同時要請であれば,救急隊が現場活動中にヘリがランデブーポイントへ到着しています.現場からの診断,初期治療,そして適切な病院選定と早期搬送.消防の皆様の意識が早期根治治療につながり,後遺症軽減に直結しております.

「交通外傷.挟まれ事案.」 直近基幹病院に近くても,ヘリが救助中に到着すればそれだけ医療介入が早くなります.ヘリ到着前に救助が完了すれば救急隊による搬送で医療介入が早くなります.患者さんにとって何が一番良いかを考えたヘリ要請.連続出動で現場到着にいつもより時間を要しました.救急隊の適切な現場判断でヘリは途中キャンセルとなりました.それでかまいません.患者さんにとって,その時点で最良の救急医療を提供していきましょう.

「蜂に刺されて,気分不良.」 消防の指令課はアナフィラキシーショックを考え迷わず覚知同時のヘリ要請です.ヘリはランデブーポイントに着陸,医療スタッフはいつものごとく支援車で出来るだけ救急車に近づきます.救急車と途中ドッキング,すぐにランデブーポイントへ走りながら診療開始.意識混濁,体幹部発赤あり,皮膚はチアノーゼあり,橈骨動脈微弱・・・明らかにアナフィラキシーショック!ヘリへ搬入するまでに全ての薬剤投与を完了.TECCMC到着時には,すっかり状態安定です.一安心^^


キーワード方式を徹底することで,覚知同時要請が徹底されます.その結果,患者さんに大きな大きな恩恵がもたらされています.

今日は救急隊現着後,全身観察後の医学的理由を踏まえた適切な要請もありました.本日は6件要請,5件出動,1件出動前キャンセル(軽症)でした.


相変わらず救命救急センターはほぼ満床状態が続いております.当地域における最初で最後の砦ですから,何とか頑張ります!急に冷え込んできました.皆様,どうぞご自愛下さい.