2011年3月31日木曜日

3月31日 年度末,そして運航実績

2010年4月17日〜2011年3月31日の運航実績をアップします.年度末の締めです.


要請件数1118件,出動847件(現場748件,施設間搬送99件)でした.月別の詳細なグラフは下記です.御参照ください.



運航管理室のホワイトボードはこんな感じ.


月別では,今月の要請件数105件,出動74件(現場70件,施設間搬送4件)となっております.尚,本統計に災害派遣事案は含まれておりません.


今月は上旬の天候不良,中旬の災害派遣などあり,不応需件数を含めた出動前キャンセル件数が増えています.対応出来なかった事案については申し訳ありません.

ドクターカーの出動は19件となっています.



さて,本日は年度末.TECCMCが稼動し始めて1年が経った日です.あっっっっっっという間の1年でした.ひたすらに皆で突っ走った感じです.この1年に感謝をしつつ,スタッフ全員の労をねぎらって,ささやかながら「お疲れ様会」を開催しました.

山邊先生差し入れのゴールドシャンパンをヘリポートに置いて,ぱちっ.


これまた山邊先生差し入れのケーキを囲んで,ぱちっ.


来年度は医局の先生達も増えます.スタッフ一同,さらなる飛躍を目指し救命救急医療に邁進したいと思います.今後ともよろしくお願い申し上げます.



さて,本日のドクターヘリ担当は小林,岡本先生,清水看護師でした.

☆ドクターヘリ1件目 意識障害+頸椎骨折!?

救急隊現着後の要請です.「脳血管障害を強く疑います.」との情報です.ヘリは数分でランデブーポイントに着陸,救急車もタイミング良く滑り込んできます.

車内に乗り込み診察開始.「頭が痛くなり倒れたようです.右に不全麻痺があります.転倒されているので,ネックカラーを装着しています.」と救急隊からの申し送り.内因性疾患だけでなく,それに付随した外因性のものにもきちんと対応していることにあらためて感心(これが後ほど,さらに我々を感心させることになるのですが).

確かに脳血管障害が疑われ,脳梗塞なら血栓溶解療法の適応になりそうです.であれば急いでTECCMCへ搬送です.頭部保持,頸椎保護に心掛けながらヘリへ搬入.そして,ヘリポートからはdirect CT.

やはり脳梗塞!転倒されているので頸椎もCTで評価(いつものプロトコール).さて,あらためて初療で神経学的な評価をします.その間に頸椎のCTをチェック,チェック・・・「あらっ,C2折れてる!」 転倒時に頸椎骨折をされていたようです.

病院前の対応が不適切であれば頸髄損傷を引き起こしているところです.ヘリ要請だけではなく,きちんとした傷病者対応が出来ている救急隊,まさに推奨活動です.

☆ドクターヘリ2件目 意識障害(今年度の最終事案)

覚知同時要請です.「意識無し,呼吸有り.」 現場は119番通報から救急隊現着まで15分近くかかる山間の町.ランデブーポイントから支援車で移動しても時間がかかりそうです.無線で現場の場所を確認,現場直近への着陸可能地点を探すことにします.

現場上空.救急車を発見!あそこが現場のようです.直近に着陸可能なところは・・・ありました!患者さん宅の隣に空き地が!!上空から安全を確認し,消防無線でコンタクトをとりながらゆっくり,安全に着陸します.



そして,そこからはいつものように資機材を担いで現場までダッシュ.患者さんのお宅にお邪魔して診療開始です.まさに究極の往診,早期医療介入.

意識レベルIII桁,低血糖なし.幸いにも気道,呼吸は安定しています.家内から速やかに搬出し,ストレッチャーでヘリ着陸地点まで移動.そして,搬送時間が一番短い直近の拠点病院へヘリ搬送です.



さて,今年度最終日は24時間勤務です.平和な夜になるでしょうか?・・・そしてその後,巨大胃潰瘍からの出血,出血性ショックで夜勤が始まりました・・・