2014年5月31日土曜日

5月31日 第17回日本臨床救急医学会学術集会

本日から第17回日本臨床救急医学会です.今回,TECCMC医局はセンター長のみの参加・・・センターでは止血術,血管縫合術,急性腹症の緊急手術.臨床も学術活動も大切なお仕事です.




発表中のセンター長.この後に総合討論でした.




また「全国メディカルコントロール(MC)協議会連絡会」も開催され,良い話を聞けました.但馬地域MC協議会の取り組み,方向性は間違っていませんでした^^ 


今回は栃木県の自治医科大学が会場.なかなか遠い場所でしたが,大学構内での学会は講義を受ける感じでたまには良いものです.

参加されました皆さま,お疲れ様でした.またお世話になりました.




2014年5月29日木曜日

5月29日 ドクターヘリ・ドクターカー症例検討会

昨年度までは年6回,基地病院,消防,関係機関が一同に介して症例検討会を行ってきました.しかし,各論的な検討,意志統一の検討が不十分な感は否めませんでした.そこで今年度は基地病院のスタッフが各消防本部にお邪魔して,より詳細な本音トークが出来る検討会を提案,本日第1回目の開催となりました.

第1回目の検討会は豊岡市消防本部です.


まずは豊岡市消防本部署長,センター長の挨拶.それから平成25年度の豊岡市消防本部全出動事案を「死亡」「重症・重篤」「中等症」「軽症」に分類し,ドクターヘリ,ドクターカー要請・出動割合を検討しました.特に「死亡」「重症・重篤」で,ヘリ・カー要請が行われていない事案を個々に検討してもらいました.結果,アンダートリアージは0.非常に適確かつ適切にヘリ・カー要請が行われていることが証明されました.この結果を残すためには,結果としてのオーバートリアージがヘリ20%,カー35%程度は必要,容認すべきことも実証されました.

続いて本署,分署,出張所,指令課からの事例発表.ヘリ,カー要請を迷う事例,時間経過,重複時の動き,要請継続の判断基準,キーワード方式裏に隠れる病態をいかに見抜き要請をかけるか,などなどMCプロトコールや検証会議の内容も絡めた濃い,良い内容でした.予定した時間を大幅に超過し,当務明け,休みの皆さまにはご迷惑をおかけしましたが,検討会の一つの方向性が見えた気がします.

これから毎消防本部に年2回はお邪魔し,このような検討会を開催していきます.ドクターヘリの出動件数は全国を対象とすれば多いかもしれませんが,比較する対象,基準は当管轄地域における需要に対する件数であり,アンダートリアージ0,防ぎ得た死0を実現するためにはまだまだ要請,出動件数共に不十分です.精度,質を向上させながら,本事業を発展させたいと思います.

本日もヘリ,カーは有効に活用されました.重複対応,早期医療介入,そして基地病院での受入.消防から救命救急センターへシームレスな救急医療が展開されています.




本日も怒濤の1日でした.お疲れ様でした.














2014年5月28日水曜日

5月28日 TECCMCの1日

DCS,DCS,TAE,PCPS,IABP,CHDF・・・何かの呪文のようですが,こんな1日もあります.居残りスタッフ含め皆,よく頑張りました.良いチームですね.

そんな中,今年度TECCMCに加わった安田先生.岡先生,前山先生の指導を受けながら様々な症例,手技を経験中.軽症から重症まで,疾患から重症外傷まで豊富な症例のもと研鑽中〜


本日は地元の中学生達が恒例の「トライやるウィーク」でTECCMCに来てくれました.心肺蘇生の実習,ドクターヘリ,ドクターカーの見学,初療搬入,清潔ガウンの装着などを経験してもらいました.皆さん,将来TECCMCで一緒に働けることを待ってますよ^^


良い企画ですね.



2014年5月25日日曜日

5月25日 医学教育コース

24日,25日と泉州救命救急センター主催のSSTT(外傷外科手術治療戦略コース)をセンター長はじめ数名の看護師がお手伝いさせていただきました.今までも永嶋先生,岡先生,番匠谷先生達が参加されています.



日常的に外傷診療に携わっている医療チームを日本でも屈指の外傷診療チームが教える,コンセプトも内容も大変素晴らしいコースです.医学教育はこうあるべき,まさにそんな2日間でした.


渡部@泉州救命救急センター先生とセンター長の共演.大変お世話になりました.ありがとうございました.

TECCMCでも医学教育コースは定期的に開催しています.特に心肺蘇生に関する教育は前山先生はじめ救命スタッフが頑張っています.インストラクターといわれる教育側は,日常的に心肺蘇生に携わっている面々.机上やシミュレーションだけの知識ではなく,実際の臨床をふまえたものです.


外傷,災害,脳卒中,心肺蘇生など多くの医学教育コースをMC協議会主体で開催するTECCMCです.指導する側はその分野で日常的に診療,活動に従事している医療者,受講生はその時点であるいは今後その分野で活躍される医療者.教育コースの原点を忘れず,医学教育も質の高いものを求め続けたいと思います.









2014年5月21日水曜日

5月21日 unexpected survivor

朝方は雨,運航不可の地域もありご迷惑をおかけしました.その後は天候も回復し全域運航可になりました.降るなら夜に,夜明けとともに晴天になって欲しいと思う今日この頃です.

天空の城,竹田城跡も新録.今回はちょっと遠目から.


「unexpected survivor」・・・予測生存率50%以下の重症外傷患者が救命された場合を言います.この救命効果にドクターヘリは大いに貢献しています.もちろん,消防の覚知同時要請をはじめとした速やかなヘリ要請が必須です.

山間部で20mの滑落,救急隊現着時はショック,意識障害.ヘリスタッフはランデブーポイントから支援車で現場に向かい救急車とドッキング,ランデブーポイントに走りながらの外傷初期診療,ヘリ機内へ速やかに収容し飛行しながらの気管挿管を含めた蘇生治療の継続,ヘリポートからのdirect trauma pan-scan CT・・・予測生存率30%の多発外傷,その夜ICUで意志疎通が可能になりました.TECCMCそしてこの地域では当たり前の光景になりました.素敵なことです^^


今日もドクターヘリは有効に活用されています.


ICUでは4月入職の後期研修医・安田先生の姿が.先輩救急医の暖かくも厳しい指導を受けながらの処置.後輩が出来た間先生は陰圧閉鎖療法の細工中.若い先生達も頑張ってます!


2014年度の「TECCMC's Guys」 引き続きよろしくお願い申し上げます.












2014年5月18日日曜日

5月18日 五月晴れ,いいね!

春は良い季節です.連日の五月晴れ,心地良い毎日です.空も海も青.


季節柄屋外での事案も多くなります.ヘリスタッフはランデブーポイントから支援車で現場に向かいます.現場医師派遣の判断は消防の判断.適確に指示をくれます.


当地域で多い山岳事案.10kg以上の医療機材を担いで現場に向かいます.衛星携帯も持参.


ランデブーポイントへ救急車が来る事案では消防無線からの情報で準備を行います.これも現場滞在時間を短縮するために必要な事です.



複数傷病者事案では現場直近(堤防上)着陸,現場で消防とのコラボレーション.消防のコマンダーと医療のコマンダーで対応を協議し搬送順位と搬送方法を決定します.



消防のコマンダーは視認し易いように「赤いベスト」を着用してくれます.1つ1つの事案をきちんと検証し,改善していく,それが今のような対応につながっています.

五月晴れの中行われているTECCMCの現場活動を本日は紹介しました.




2014年5月16日金曜日

5月16日 第140回近畿救急医学会救急隊員部会

本日は「第140回近畿救急医学会救急隊員部会」(姫路市)の教育講演にセンター長がお招きいただきました.今回の救急隊員部会のテーマは「ドクターヘリ」.関西広域連合管内では5機のドクターヘリが飛んでいます.関西地区ほぼ全てをカバーする本事業が救急隊員部会で取りあげられた意味は非常に大きいものです.ドクターヘリを活かすも殺すも消防の判断1つですから.

スライドの一部を供覧いたします.

今回のテーマも根本をなすメディカルコントロールのお話しから開始です.「質の高い搬送」「適切な病院選定」こそが検証されるべき事項なのです.そこにドクターヘリ,ドクターカーをいかに絡ませるか.各地域で考えていただきたいとの提言を行いました.


病院前救急診療(ドクターヘリ,ドクターカー)の目的,運航・運行方法などの紹介です.

 

当ドクターヘリの運航における工夫,消防の理解・協力,その結果をお話ししています.total prehospital timeの短縮化,覚知同時要請率の向上が実現しています.しかし,地域による「差」も明かになってきました.今年度はこの原因を検証いたします.




質の高いドクターヘリ事業を提供するための方策,結果としてドクターヘリが有用性を示したこと(詳細は論文で!)を伝えています.やはりoutcomeは重要です.



今後,我々および関西広域連合,関西圏が確立すべき内容を提言しております.



教育講演の後に行われた一般演題でも地域格差が見え隠れ・・・会場の聴衆からの意見をうかがうに,「なぜ覚知同時要請ではない??」「陸送の方が早いのでは??」「2次病院に断られたからヘリ要請?なんだそれ??」など.ドクターヘリ事業が本邦で始まって10年以上が経ちました.まだまだその本質は浸透しきれていないようです.本事業に参入して5年目,TECCMCと当地域から発信できることがまだまだありそうです.

本日はいろいろな意味で勉強になりました.ありがとうございました.