2015年11月27日金曜日

11月27日 第10回日本病院前救急診療医学会総会・学術集会に参加しました

大阪で開催された第10回日本病院前救急診療医学会総会・学術集会にセンター長,前山先生が参加しました.

センター長
・評議員会
・パネルディスカッション座長:「Prehospital Informatics 〜病院前診療と情報の活用〜」
・ポスター発表:公立豊岡病院ドクターカー 創意工夫とその成果

前山先生
・シンポジウム発表:公立豊岡病院ドクターカーの現状と課題


今回も自施設,当地域のドクターカーの有用性を治療成績などから明示しました.そして,その結果を出す基地病院の取り組みも紹介しております.常に学問的視点をもって,病院前救急診療を含む日常業務に取り組みことの大切さを再認識しました.

学会にはTECCMC卒業生の菊川元博先生(現・熊本赤十字病院),池田光憲先生(現・大阪大学高度救命救急センター)も参加.池田先生は学会運営,菊川先生はセンター長座長のパネルディスカッションでのパネリスト.卒業生も各地で頑張っています.我々も負けないように邁進いたします.



2015年11月20日金曜日

11月20日 重症外傷の救命

重症外傷(予測生存率50%以下)の救命には迅速な手術・外科的介入は当然ですが,それだけでは不十分です.

墜落外傷,重症胸部外傷.ドクターカーで現場対応しTECCMC搬入です.大量血胸,高度肺挫傷,肺胞内出血,他部位も損傷した多発外傷です.B,Cの異常に対する気管挿管,人工呼吸管理,胸腔ドレナージ,緊急輸血・・・気管チューブから吹き出す血液で換気不十分と判断すると,VV-ECMO導入下での分離肺換気(DLV).現場対応から手術対応,集中治療までシームレスに迅速に対応出来てこその外傷センターであり,集中治療の重要性が再認識された症例でした.


ドクターカーだけではなく,ドクターヘリも変わらずの活躍です.


現場の情報から緊急度,重症度を判断し現場直近を運航スタッフと協議します.もちろん,後部キャビンからも現場,着陸可能な場所を探して情報の共有.雨上がりの湿った海岸・砂浜に着陸,医療スタッフはダッシュで現場へ.夏場は海水浴で賑わう浜辺も,秋は静かな安全に着陸可能な場所に変わります.




2015年11月19日木曜日

11月19日 SHIP CHANGE

JA833HからJA818HへのSHIP CHANGEが行われました.


業務終了後に当院の格納庫内に2機を並べての作業です.JA818Hは検査を終了し,デジタル無線を搭載して帰ってきました.デジタル無線の運用開始は各消防本部との調整を行い,近日中にお知らせいたします.

今月はドヨーンとした天候が続き,なかなかお日様に会えません・・・日本海側の秋の空は最近,こんな感じです.天候を見ながら,ヘリ,カーを上手に運用して早期医療介入を果たしております.




2015年11月17日火曜日

11月17日 お疲れ様でした & ありがとうございました

本日は約3年,当院脳神経外科のトップとして当地域,当センターを支えてくれた小山先生の送別会が救命救急センター主催で行われました.


当センターは外傷は元より,脳血管障害の症例も多く搬入されます.緊急手術もですが,今年度からは脳梗塞に対する血管内治療も始めていただき,神経学的予後改善に大きく貢献されてきました.我々もいろいろとご指導をいただいた先生です.TECCMCからも感謝と「また帰って来て下さい!」の気持ちを込めての壮行会でした.



2015年11月16日月曜日

11月16日 秋,日没までが早くなっても

秋は日没が早くなります.この時期,最終ドクターヘリ要請は16時10分!これからはドクターカーとの補完,連携が益々増える季節です.

通常のドクターヘリミッションではランデブーポイントで救急隊とドッキングします.しかし,早期医療介入の必要性など様々な理由から現場直近着陸を選択することもあります.もちろん安全運航が最優先の上でです.

休耕田,堤防上などへ着陸,医療スタッフは現場までダッシュ.外傷初期診療,内因性疾患のABC安定化などが行われます.


崖下の岩場までは医療スタッフもPPE装着.ロープで下りての気管挿管.


救助の邪魔にならないように呼吸管理.そのまま崖上まで上げて堤防上のドクターヘリまで.


11月に入ってからもこんな事案が散見されます.成熟してきたキーワード方式による早期要請.救命効果,後遺症軽減効果を発揮しています.



2015年11月14日土曜日

11月14日 兵庫県メディカルコントロール従事医師研修会

本日はセンター長と豊岡市消防本部のメディカルコントロール担当救命士が,兵庫県メディカルコントロール担当医師研修会にファシリテーターとして参加しました.

兵庫県は5つの地域メディカルコントロール協議会に分かれており,TECCMCは但馬地域メディカルコントロール協議会を但馬3消防本部と担当しています.本日は兵庫県内のメディカルコントロールに係る指示医師,検証医師が各々の地域から集まり,メディカルコントロールとは?特定行為とは?指示の可否?検証方法などについての研修です.


現場で活躍する救急救命士の活動の質を担保し,適確な助言,指導を行うためには医師も学ぶ必要があります.本日の研修会は地域差,メディカルコントロールの問題・課題を参加者で共有出来たことは非常に有意義でありました.

但馬地域はメディカルコントロールにおいても1つにまとまっておりますが,現状に満足せず更なる質の向上に邁進いたします.



2015年11月13日金曜日

11月13日 小学校からの招待

本日はセンター長が朝来市立枚田小学校に招かれました.地域救急医療,命の大切さの授業・講演です.対象は幼稚園児から小学校6年生まで.それに先生,父兄の方々.さてさて,45分間のお話しですが幅広い対象に事前準備も入念に・・・

子供達を退屈させない,注目してもらうために動画や特集番組の編集版を盛り込みつつ双方向性に^^;

まずは質問.


やはり子供達は素直でした.そして,救急車の呼び方,救急車を呼んでから病院搬入,治療開始までの時間経過を説明.朝来市のゆるキャラ「たけじい」「ちゃすりん」も登場!地元だけあって認知度は高かったです.


早期に治療を開始する目的のドクターヘリ,ドクターカーのお話しも盛り込みます.子供達も熱心に聞いてくれました.


そして,日本一活用されている当方のドクターヘリ,ドクターカーは地域に理解され,支えられていること,それは地域全員で命を守っていることにつながっていまーす!というような内容で締めくくりです.


我々の仕事,事業は地域の理解,協力あってのものです.このような出張授業,機会をいただけましたらいつでも出向きます.本日はお招きいただきありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.



2015年11月12日木曜日

11月12日 連携

気がつけば更新が滞っておりました.確かに秋は何かと忙しい日々です.

今年度から本格的に運用が始まった鳥取県消防防災ヘリとの現場協働活動.今回もその連携が効果的でもありました.

防災ヘリでの吊り上げ救助,特定行為の継続,ランデブーポイントでのドクターヘリへの引き継ぎ,TECCMCへの搬送,迅速な初期対応.直近へ行くよりもドクターヘリ引き継ぎの方が僅かでも早く,搬送時間を差し引いてもその後の初期対応,根治的治療までの時間も考慮した対応です.


消防の現場からランデブーポイント,航空隊との情報共有,指揮命令系統の確立と実践,航空隊の意識の高さが表れた事案でした.消防本部別症例検討会の成果でもあります.

本日もこんな感じで日本海側,北近畿エリアの救急医療の一端に貢献したいと思います.



2015年11月7日土曜日

11月6・7日 第22回日本航空医療学会総会に参加しました

群馬県前橋市で開催された「第22回日本航空医療学会総会」に参加しました.



・センター長
評議員会,ドクターヘリ委員会,ドクターヘリ効果検討委員会
発表と座長:パネルディスカッション「キーワード方式の功罪」
→早期ヘリ要請により,早期医療介入が実現,その結果,外傷,CPA,ACSでドクターヘリによる予後改善効果が証明されました.キーワード方式は患者にとって功をもたらしたという内容です.

・松井先生
発表:一般演題「脳梗塞に対するドクターヘリの有用性」「脳出血・SAHに対するドクターヘリの有用性」
→脳血管障害2演題で発表です.ドクターヘリは脳梗塞の神経学的予後改善効果が期待される,SAHの搬送中再破裂を予防し,重症例の神経学的予後改善効果が期待される,脳出血の重症例では二次性脳損傷を回避している可能性がある,といった内容です.

・前山先生
発表:一般演題「院外心肺停止に対するドクターヘリの有用性」「急性冠症候群に対するドクターヘリの有用性」
→CPA, ACS 2演題で発表です.ドクターヘリはCPA症例の社会復帰率を向上させている,ACSの標準化死亡比を改善させている,といった内容です.

・藤崎先生
発表:一般演題「III度熱中症に対するドクターヘリの有用性」
→ドクターヘリはIII度熱中症の早期循環改善,意識レベル改善効果をもたらす,といった内容です.

・濱看護師
評議員会

・福本看護師
発表:一般演題「何を基準に,どこで処置を行うか?」
→機内処置の割合が大きい当方のドクターヘリ事業では,フライトナースも重症度をチームとして瞬時に把握し,先を見越した診療の補助を行うことで現場滞在時間のさらなる短縮が期待され,それを教育内容に盛り込む必要がある,といった内容です.

・清水看護師
発表:一般演題「セカンドチーム立ち上げ時におけるアクションカードの活用」
→セカンドチーム立ち上げの実事案を対象としたアンケート調査から,アクションカードを有効に活用するために必要な方策を論じました.

Outcome・予後をきちんと出して論じなければ全く意味がないことを今回の学会でも感じました.その中でも予後に直結する因子の1つは「時間」です.事業開始当初からこだわり続ける「時間」.我々の取り組み,方向性は間違っていないことが証明されつつあります.

会員懇親会,夜の学会では多機関との情報交換と大変有意義でありました.関係者の皆さま,大変お疲れ様でした.今後ともよろしくお願い申し上げます.さて,今回の発表内容をきちんと論文にまとめましょう!