2019年4月3日水曜日

4月3日 洗礼

「ドクターカー要請です.ドッキングポイントは・・・」日も落ちた夕刻,いつも通りにドクターカーが要請されます.カー番のセンター長が乗り込みドライバーと共に出動です.出動後に要請消防本部に携帯で連絡をします.「ドクターカー出動,概要をどうぞ.」すると「詳細不明ですが乗用車数台が絡む事故の模様.事故車両から煙が上がってるとの情報もあります.多数傷病者の可能性もありドクターカー要請です.」早期に災害のスイッチを入れる消防本部,さすが!この情報を受けたセンター長はTECCMCでホットラインを持つ藤崎先生に一報を入れ,指示を出します.「多数傷病者事案の可能性あり.DMAT CARで医師3名出動.藤崎先生をリーダーに柿崎先生,渡邉T先生のチームで!センターは救急医を招集のこと.」


ドクターカーのセンター長は消防無線で消防と情報を共有し活動方針を決定します.センター内,DMAT出動隊とはTECCMC's Group Mailで情報共有です.

まずは先行するドクターカーが最重症の患者を搬送する先発救急隊とドッキングポイントでドッキング.センター長が速やかに外傷初期診療を行います.と同時に後発の救急車の動向と残りの傷病者の重症度を確認します.「この患者はドクターカーで対応,TECCMCへ搬送開始.後発の救急車は全隊TECCMCへ向けて走り,よりTECCMCに近いドッキングポイントに集結,そこでDMAT CARとドッキングするように.尚,これからの医療コマンダーは藤崎先生に委譲します.」そう宣言し,重症患者対応をしながらセンター長はTECCMCへ向けて走り始めます.

センター長が先発救急車とドッキングして約10分後,藤崎チームが複数台の救急車・傷病者にドッキングポイントで対応開始です.


柿崎先生,渡邉T先生が各々救急車に同乗しTECCMCへ搬送.救急隊のみもTECCMCへ向けて搬送します.現場トリアージそして医療トリアージによって適切な搬送順位,手段が選択されます.

TECCMCには本事案の救急車が集結.他の事案の救急搬入も重なりTECCMC搬入口は本日も大賑わいです.


こんな多数傷病者事案の対応が難なく出来るのも,全傷病者をTECCMCへ集約する体制と災害モードのスイッチを的確に押してくれる消防機関の賜です.

お昼間にはショックモード対応,外傷性心破裂による現場開胸からの初療室開胸術と新年度早々,新入職の先生方にはある意味“洗礼”だったかもしれません.でもこれがTECCMCの日常でもあります.