秋のこの時期,朝は霧が発生します.但馬地域では雲海(特に天空の城・竹田城)が有名ですが,ドクターヘリ運航には大きな支障になります.気温が上がれば9時ごろには霧が晴れるのですが・・・こんな時ほど何も起こらないことを切望しています.
当地域の病院前救急診療の特徴の一つは複数傷病者事案の多さかもしれません.覚知同時要請で離陸し現場直近に着陸,医療スタッフは現場へ.現場の救急指揮隊長(赤いベスト着用)と情報共有,指揮命令系統を確認し活動します.複数の重症者がいればヘリでのピストン搬送,中等症程度であればフライトドクター同乗で救急車陸路搬送です.TECCMC'sドクターヘリはこのような事案に備えて2台の携帯エコーを機内に準備しています.
ドクターヘリ出動中はドクターカーが補完的に出動し医療介入を果たします.その後にヘリ対応が可能になれば搬送時間の短縮(根治的治療開始時間の短縮)を目的にヘリ要請,傷病者をカーから引き継ぎます.墜落事案,カーにて現場接触,骨盤骨折を疑いサムスリング装着,直近のランデブーポイントでドクターヘリに搬送を引き継ぎ・・・後腹膜パッキングに穿頭からの開頭術.当地域の病院前救急診療の本領を発揮です.
秋晴れに紅葉.ランデブーポイントで救急車を待つ時間も過ごしやすい季節です.この日は5件のヘリ出動.1つ1つのミッションも早く,搬送先もTECCMCなので疲れ知らずで夜勤に突入です.
明日からは福岡で日本救急医会総会学術集会です.当センターからは5演題の発表,よろしくお願いします.