当ドクターヘリ事業では重複要請が多くあります.覚知同時要請が90%近くであり,幸いにも対応方法を判断するのに多少の時間的余裕があります.
そんな中,本日は午前中だけで6件のヘリ対応.
1件目:心不全.呼吸苦,胸痛での覚知同時要請です.通常ミッション,救急覚知からTECCMC搬入まで30分以内.
2件目:A型解離.左下肢の激痛・蒼白にて緊急手術対応が考慮された救急隊現着後要請.非常に適確な現場判断!この現場対応中に3件目のヘリ要請が!!
3件目:大動脈解離.胸背部痛での覚知同時要請です.2件目の患者をヘリに乗せたままsecond doctorの間先生を3件目のランデブーポイントにドロップ,医療介入を行います.そして,2件目の患者を乗せたドクターヘリはTECCMCへ.
4件目:間先生からのヘリ要請.3件目の患者は早期搬送が必要との判断です.間先生を乗せた救急車はTECCMC方面へ走り,より近い場所でドクターヘリのピックアップ.薬剤投与にて本患者は安定化.この出動途中で5件目のヘリ要請!!
5件目:高エネルギー外傷.4件目の患者を間先生ごとピックアップ.安定化を確認しそのまま帰路途中の5件目の現場へ.そしてここでも間先生はドロップ.救急車はまだランデブーポイントに到着しておらず,救急車の到着を待って外傷初期診療開始です.
6件目:間先生からのヘリ要請.5件目の患者も早期搬送が必要との判断です.4件目の患者をTECCMCへ降ろしたドクターヘリは,TECCMCへ近づいて進んできた救急車とドッキング,ピックアップしそのままTECCMCへ.
そして,ドクターヘリだけでは対応出来ない事案はドクターカーで対応です.
2 flight doctor制だからの対応です.second doctorがドロップされても機内ではfirst doctorが継続的な治療を進めています.またドクターカーの同時運用を行っていることも大きな力になっています.
ドクターヘリ,ドクターカーは救急現場に医療を早期に投入するためのmedical tool.この基本・原則をキッチリと実践しております.
On the jobのみならずTECCMCではOff the jobにも力を入れています.本日は杉野先生がCMDを務める院内BLS & ICLSコースが開催されました.TECCMCスタッフおよび院内スタッフの協力のもと,医療者としてキチンとした心肺蘇生術が出来るよう教育しています.BLS,ICLS共に定期開催中です.
(前山先生提供)
OnもOffも創意工夫で質の向上を心掛けたいと思います.