2011年5月25日水曜日

5月25日 本日もお疲れさまです

月末が近づいています.医療クラークの糸賀さんと小林は勤務表作成に頭を悩ましております.良く学び(働き),良く休む(遊ぶ?).皆にonとoffをしっかりとってもらいたいなあ・・・現実は・・・(苦笑).6勤2連休(1休みのこともあり),変則2交代制が原則のTECCMCです.

本文とは無関係な画像:前山医師,空を見つめる・・・飛んでみる?

 本文とは無関係な画像:清水看護師,海を眺める・・・泳いでみる??




本日のドクターヘリは小林,三浦先生,安積看護師が担当です.

☆ドクターヘリ1件目 意識障害(CO2ナルコーシス?)

覚知同時要請です.「男性,呼びかけても反応なし,呼吸あり」といった内容です.現場はそこそこ奥まったところ.上空から救急車を探します.

「救急車発見!」ランデブーポイントからも距離があります.患者さんのご自宅もわかりました.幸いな事にご自宅の目の前に休耕田があるではないですか!上空から安全を確認,許可をもらって慎重に着陸です.地方ならではの現場直近.


着陸後はご自宅までうかがい診療開始です.最速の医療介入開始.

自宅で初期治療を行いつつ,既往を確認,陸路ではちょっと離れたかかりつけの病院へヘリ搬送とします.ヘリならものの5分.搬送も速やかです.かかりつけ病院近くのランデブーポイントに着陸,地元の消防に協力いただき患者さんを三浦先生同乗で搬送としました.

いつもご支援,ご協力をいただきありがとうございます.

三浦先生をのどかに待つJA822H

☆ドクターヘリ2件目 胸部不快感

覚知同時要請です.「女性の胸痛.」これは心大血管の疾患か!?準備しつつランデブーポイントへ向かいます.

数分でランデブーポイントへ着陸,救急車の到着を待ちます.いつも風光明媚な所です.


程なく救急車到着,車内で診療開始です.症状を確認,12誘導心電図,心エコーなどを速やかに行います.幸い虚血性心疾患を示唆する所見も症状もありません.心カテーテル検査,治療も今のところ必要なしと判断し,地元の病院へ三浦先生同乗で救急車搬送としました.

現場での医療トリアージ,重要な我々の任務です.重症でなくて幸いでした.

☆ドクターヘリ3件目と4件目 出血性ショックと熱中症

午前中に2件出動しましたが,午後からは初療もドクターヘリも穏やかな時間が流れます.我々が平和なことは良い事です.

と,思っていた矢先要請PHSが一斉に鳴ります.救急隊現着後の要請のようです.重症と判断されたのでしょう.急ぎましょう.

ヘリは晴天の但馬の空へ舞い上がります.医療無線から患者さんの情報が聞こえます.「草刈り機での切創.顔面蒼白.」 出血性ショックが疑われます.加圧バッグを輸液に付け現場へ.

ランデブーポイント着陸.すでに救急車は到着しています.車内に乗り込み診療開始.衣類にかなりの血がついています.幸い患者さんの状態は少し安定したようです.では輸液路を確保し搬送を・・・と思った瞬間に機長さんが救急車に飛び込んできます.「○○から要請!場所は△△!!どうします!?」もちろん応需しますが,ミッション方法は??

「輸液は機内で飛行中に確保します.速やかに患者さんを機内へ入れましょう.搬送先はTECCMC.そしてTECCMCへ向かう途中に△△があるので,そこで三浦先生,安積看護師をおろします.再離陸しTECCMCへこの患者さんを搬入,ヘリポートで引き継ぎを行った後にtouch & goで△△へピックアップに向かいます.」

ヘリは離陸,と同時に三浦先生は18Gでルート確保.創部は圧迫止血されています.これで一安心.さて,4件目のランデブーポイントへ向かいましょう!

まさに2 flight doctor制の威力発揮です.そして何よりも4件目の要請が覚知同時要請(意識なし),ランデブーポイントに着陸した時点でまだ救急車が到着していません.救急車の到着とその後の診察時間でちょうどヘリがピストン搬送で帰ってきました.同時要請だから患者さんを無駄に待たせることなく,ミッションが進みます.消防の意識の高さの現れです.

4件目の患者さんは,最高気温が30℃近くなった中,電気毛布をかぶって寝られてたそうです.体温も高く,状況から熱中症が疑われます.幸い輸液にて意識レベルは改善です.皆様,熱中症の季節になってきました.どうぞご自愛ください.そしてピストン搬送でTECCMC搬入です.

☆ドクターヘリ5件目 頭部外傷,酩酊状態

ヘリの最終要請時刻が迫る中,覚知同時要請です.「路上で人が倒れてる.」との情報です.現場は救急隊,支援隊が到着するのに時間を要する場所.でもドクターヘリはひとっ飛び,上空から現場を発見!まさにランデブーポイントのすぐ近くです.

ランデブーポイントの安全を上空から確認し,慎重に着陸です.砂塵もそんなに舞い上がりません.そしてその後は,恒例の現場までダッシュ!200〜300mは走ったでしょうか.先着するかと思いきや,直前にで救急車に追い越されました.車には勝てません・・・

そして,現場で活動開始.内因性?外因性?判断に迷いますが,倒れていた場所などから外因性の対応を行います.


初期評価,全身観察,primary survey,全脊柱固定.救急車内で輸液路確保とFAST.ランデブーポイントでヘリに患者さんを乗せ換え,TECCMCへひとっ飛びです.

推定医療介入短縮時間30分以上.まさに救急医療は現場から始まる!です.




本日は5件要請の5件出動でした.ドクターヘリを有効活用していただき,ありがとうございました.