2011年6月30日木曜日

6月30日 今月のドクターヘリとドクターカー

今日で6月も終了です.今月のご報告です.

ドクターヘリ(6月)
要請 129件  出動 117件

ドクターカー(6月)
出動 5件

今月もドクターヘリ,ドクターカーを有効にご活用いただきありがとうございます.いろんな形で地域の皆様のお役に立てております.来月以降も引き続きよろしくお願い申し上げます.

ヘリとカーのランデブー


本日は朝から初療は嵐が吹き荒れました.カンファレンス中に三浦先生がもつホットラインが鳴ります.「バイク事故.全身観察で皮下気種バリバリ.3分で行きます!」 救命士さんからの的確かつ迅速な情報で初療に救急医集合!

患者さんの搬入,primary surveyはBCの異常.特に呼吸状態は最悪です.左右に緊急脱気を行いつつ,胸腔ドレナージ.右は沸き立つエアリークと血胸,左は血胸.酸素化は改善せず,チアノーゼ著明.胸部レントゲンでは右肺の虚脱と左肺の高度肺挫傷.右は気管支断裂!?左肺もつぶれてる!!気管挿管でも酸素化が保たれず,著明なアシドーシスの状態です.初療担当医の岡先生はECMO導入を決意,そのままカテ挿入にうつります.しかし,呼吸,循環が保たれません・・・右胸腔ドレーンからは1L以上の出血・・・

「開胸!」と同時に「PEA!胸骨圧迫!!」初療は戦場です.まず右開胸しhilar twist.検索すると右主気管支の完全断裂と肺門部からの出血.皮切を左に伸ばしてclamshellへ.やはり左肺の肺挫傷は高度です.吉山先生が心マッサージ,小林は自動吻合器を用いて右肺摘出し気管支断端の縫合閉鎖.と同時に岡先生がECMOからPCPS へ切り替え,導入.心臓は何とか動いています.しかし,胸腔内の出血が制御しきれません.deadly triadです.

やることは全部やりました.PCPSを回したままICUへ・・・厳しい戦いです.TRISS Ps 0.2・・・

ERTの横では骨盤骨折,重症熱傷など次々に搬入されました.こんな日もあるんです.暑くなってきました.皆様,どうぞご自愛ください.


本日のドクターヘリ(担当は岡本先生,前山先生,林看護師)は6件出動.現場4件,施設間搬送2件です.施設間搬送はTECCMCへ1件,TECCMCから1件.現場は転落1件,交通外傷3件.

覚知からヘリ要請までの時間も短く,どれもGOOD MISSIONです.

交通外傷の1件は離陸後キャンセルとなりましたが,覚知段階で複数傷病者の存在,事故現場の場所,ランデブーポイントに支援車が到着する時間などを考え,ドクターヘリ,ドクターカーの同時出動ミッションです.医師が現場に早く到達すれば,手段は何でも良し.空から陸から現場に向かいます!


暑く,熱い夏がやってきます.



現場直近着陸!(本文とは関係ありません)