2014年10月7日火曜日

10月7日 ドクターヘリ・カー症例検討会(2巡目開始!)

本日はドクターヘリ・カー消防本部別症例検討会で豊岡市消防本部にお邪魔しました.本日から2巡目に突入です.

豊岡市消防本部は但馬3消防本部の1つです.市民への啓蒙も様々な形で行っています.その取り組みの一つをどうぞ!


次第は2014年度上半期救急出動件数,ヘリ・カー件数,その後に4症例をあげての検討です.上半期はヘリ・カー共にアンダートリアージ事案は「無し」.その成果の裏にはヘリ・カー共に出動後キャンセル率が30%を超えています.覚知同時要請の徹底と救急隊現着後の観察・評価の質の高さが表れた結果です.今後も本検討会,MC検証会議で質の担保を行います.

症例は,
・自宅分娩,新生児仮死
→「キーワード」に含まれていないが,ヘリ・カー要請をすべきか,いつすべきかなどを議論しました.
・低血糖事案
→今後,救急救命士処置拡大に向けて,ヘリ・カー要請事案であればどこまで現場に滞在して処置を行うべきか,搬送を優先するべきか,ヘリ・カーキャンセルのタイミングはなどを議論しました.
・ヘリ・カー要請に伴うIC
→ヘリ・カー要請時,現場の救急隊が家人などにヘリ・カーを要請している旨説明しています.その際にヘリ・カーでの搬送を拒否された場合どうするか,その理由にもよるなどの議論を行っています.最終的にはメディカルスタッフからの説明,責任になります.
・救急隊が現場出動途中にヘリ支援,医師同乗で現場に向かった事案
→現着まで時間を要し,ヘリがすでに上空待機していても原則救急隊は傷病者接触を優先する,しかし傷病者の状況が切迫しており明かに早期医療介入が必要な事案はその限りではない,救急隊,本部,ヘリが密に情報共有し判断する旨を確認しています.

ヘリ・カー要請,活用は元より,本事業もさらに突っ込んだ次のステップへ向け日々邁進しています.この消防本部別症例検討会により,ドクターヘリ有効活用事案が増えています.下半期も各消防本部へお邪魔します.屈託のないご意見をお願いいたします.

昨日からTECCMCにお越しいただいていた多田先生@県立広島病院救命救急センター も検討会に同席していただきました.当方の取り組みを見ていただくことも,本事業の啓蒙に重要なことです.多田先生がお帰りになった後,3時間で5件のヘリ出動がありました.見学の先生がお見えになっているときは穏やかなTECCMC,救命救急センターあるあるですね^^;

センターでは変わらずの日常です.現場投入に日没間際の外傷事案搬入.ホットローディング,ドクタードロップ,もはや当たり前に行われ医療資源の有効活用が行われています.



そして,病院前救急診療を支える「フライト・カーナース」.月に1度の定例会議.質の向上,担保に師長も交え議論を交わします.

5年目を迎えたTECCMC,まだまだ伸びしろがあります.現状に満足せず精進していきたいと思います.