2011年1月10日月曜日

1月10日 連休終了

今日もぐずついた天候.冬の空模様は刻一刻と変化します.

昨夕,初療ではERT,骨盤骨折に対する後腹膜パッキングが行われたり,救急車でごった返したりで大変でしたが,本日の初療は救急車の搬入件数はいつも通り.そのかわりWALK INは多い・・・もう少し休日診療所を有効に活用する必要があります.

ICUは年明けで一番落ち着いています.こんな時もなければ.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,倉橋先生,林田看護師です.午前中はヘリの離陸が出来ず,カー対応です.

☆ドクターカー1件目 心筋梗塞

朝のカンファレンス中に要請です.いつもはヘリでひとっ飛びなのですが,本日はカー対応.それでも病院選定はTECCMCしかありませんから,救急車と途中ドッキング.医療介入開始までの時間は半分に短縮されます.走行しながらの薬剤投与,診断.その情報をもとに,初療では待ち構えていた循環器チームに引き継いで恨治的治療開始!

☆ドクターカー2件目 一過性意識消失

覚知同時要請.こちらも途中トッキング.幸い,呼吸,循環,意識も安定しておられました.

☆ドクターカー3件目 VF

覚知同時要請.こちらも途中ドッキング.救急隊が特定行為による治療を始めています.医療スタッフは薬剤の選択,原因検索にあたれば良いのです.本事案ではドッキングから初療搬入までに少々時間を要しておりました.1例1例を振り返り,検証することで病院前救急診療の「質」が担保されますし,担保しなければなりません.



お昼前,晴れ間がのぞき始めました.それを見計らってJA822Hドクターヘリがやってきます.


ヘリポートの雪を巻き上げながら着陸.機材を積み込みます.そして・・・

☆ドクターヘリ1件目 意識障害(くも膜下出血)

救急隊現着後の要請です.覚知段階では「意識あり.」との情報.しかし,救急隊現着後に嘔吐,意識レベル低下.これは・・・救急隊は「頭蓋内病変!やばい!!」と判断し,現場で必要な処置を開始しつつ,ドクターヘリ要請です.こんな迅速な判断と対応が出来る救急隊によって,1つの命が確実に救い上げられます.

雪雲をさけながら飛行します.晴れ間の冬の日本海は美しい風景です.


ランデブーポイントに到着.救急車も同時に到着です.グラウンドはぬかるんでいるため,出来るだけ入り口近くにヘリは着陸します.

救急車内に駆け込んで診療開始.やはり頭蓋内病変のようです.瞳孔に左右差も出始めています.気道もあやしい.であれば十分な鎮静下に気管挿管し,低酸素による2次性脳損傷を防がなければ.緊迫する中,なんとか気道確保完了.後は血圧の上昇に注意しながら搬送です.この地域の脳血管障害はすべてTECCMCへ搬送されます.この地域であれば陸送1時間.この症例が陸送であれば・・・考えただけで大変です.

ぬかるんだグラウンドの上でヘリのストレッチャーに乗せかえ.そして,10分もかからずTECCMCヘ.


そして,ヘリポートからのdirect CT.やはりくも膜下出血.さて,脳外科チームを呼んで手術です.手術前の準備は我々の仕事.ルート確保・整理,A-line確保などなど.

初療対応中の岡先生です.




今宵は番匠谷先生と夜勤です.静かな静かな夜であることを望みます.