2011年1月15日土曜日

1月15日 ヘリで15分,車で1時間20分

今日は雪も上がり,ヘリ出動可能です.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,幸部先生,藤巻看護師.初療はWALK INと救急車搬入で溢れています.

☆ドクターヘリ1件目 中心性頸髄損傷

休日のスキー場,やはり要請があります.覚知同時要請.1月8日に着陸したスキー場からです.「スキーヤーとボーダーの接触事故.傷病者1名.一過性意識消失と上肢のしびれ.」との情報です.

藤巻看護師は加温輸液の用意をします.外に持ち出しても温度が下がらないように,保温バッグを活用します.



ヘリは10分少々でスキー場上空に到着.前回同様にゲレンデ上にマーキングがあり,安全確保がされています.上空から十分に安全を確認しゆっくりと着陸.圧雪上にヘリが安定着陸したことを確認し医療スタッフはヘリを出ます.



着陸地点のすぐ横にパトロールセンター.そこに患者さんがいます.医療スタッフ3人で外傷初期診療開始.ABCDは問題なし.FAST negative.しかし,両上肢にしびれがあり,頸髄損傷が疑われます.であればバックボードに全脊柱固定し搬送です.

ここで救急隊到着.やはり冬期こそヘリが早期医療介入をもたらします.全員でバックボードを持ち上げヘリのストレッチャーまで搬入です.


JA822Hドクターヘリはいつも通りにエンジンスタート.真っ白なゲレンデを後にTECCMCを目指します.

本日も関係者の皆様の多大なるご協力により,スキー場における迅速なドクターヘリ運用が可能となりました.この場をお借りして感謝申し上げます.

☆ドクターヘリ2件目 転落・交通外傷

日没直前に要請です.覚知同時要請.「年齢,性別不詳.乗用車が川に転落.」との情報だけです.ヘリは日没までの時間を考慮しながら現場へ上空を目指します.

太陽は山の稜線へ沈もうとしています.


無線情報で現場を特定し,ヘリで向かいます.ランデブーポイントから現場までは陸路で10分以上かかりそう.ならば現場直近への着陸が早期医療介入につながり,日没までに医療投入可能と判断します.幸い,休耕田が沢山あります.

消防に許可をとり,上空から安全を確認しヘリは直近に着陸,医療スタッフはいつも通り資機材を担いで数百メートル,ダッシュ!!


場は谷底.救助には時間を要します.しかし,ここでヘリは日没にかかるため離陸,帰投しなければなりません.当然,我々は現場活動中につき,そのまま居残りです.


医療スタッフの安全と救助中のタイミングなどから,我々は患者さんが引き上げられるのを待ちます.


極寒の現場で,外傷初療を開始します.しかし,状況は非常に厳しく残念ながら医療の手が届く状況ではありませんでした.現場で警察の方々に引き継ぎを行い,現場を後にしました.

さて,どうやってTECCMCまで帰ろうか??ヘリなら15分のところ,3人で1時間20分かけて帰院いたしました.



今宵はこのまま夜勤でしたが,帰院が遅くなったため相棒の松井先生,日勤からの居残りの倉橋先生にはご迷惑をおかけしました.すみませんm(_ _)m



覚知同時要請のドクターヘリの威力,早期医療介入そして搬送時間の短縮,本日もいろんな意味で実感いたしました.