2011年1月31日月曜日

1月31日 今月は・・・

昨日のフォーラムが神戸新聞に掲載されました.



リンクははりましたが,下記に内容をwebページからコピペさせていただきます.

ドクターヘリもっと生かすには 豊岡でフォーラム 

 公立豊岡病院に昨年、配備されたドクターヘリとドクターカーの有効活用をテーマに議論する「北近畿救急フォーラム」が30日、市民プラザ(JR豊岡駅前アイティ7階)であった。より生かすため市民に何ができるか‐を中心に、意見を交わした。
 但馬3市2町などでつくる「但馬地域等安心安全の定住地域づくり推進協議会」の主催。約200人が参加した。
 ドクターヘリに搭乗している小林誠人・但馬救命救急センター長が、基調講演とパネル討議の中でヘリの運行状況などを紹介。今までヘリが710回、車両が53回出動していることを挙げ、「外傷患者の救命率は、全世界の水準よりも高い」と報告した。一方、ヘリ運行が活発な海外の現状と比較して、「もっと当たり前のシステムにすることが理想」と話した。
 パネル討議では、ヘリを受け入れる市民の心構えなどを議論。下陰区長の西村充春さんは、図上訓練などの自主防災組織の取り組みを通して、「組織にこだわらず、もしもの時に地元で支え合える仕組みづくりが必要」と指摘。石橋重利・同市消防本部消防長は「119番通報の内容がそのままヘリに伝わる。ゆっくり落ち着いて通報することがポイント」と呼び掛けた。小林センター長も「地域のしっかりした支援がある場所。成功例として全国に実績を発信していきたい」と話していた。



ところで今日は1月の最終日.今月はドクターヘリ出動件数 32件.天候不順のため,年度最低の件数となってしましました.要請件数は80件を超えており,要請に応需出来ず誠に申し訳ありませんでした.代わりにドクターカーが50件以上出動し,ヘリの補完をさせていただきました.

事業開始前より「格納庫」の必要性を訴えてきました.その甲斐あって今現在,格納庫が建設中です.しかし,今年度の冬期には間に合いませんでした.まさに今,ここに格納庫さえあれば,もっともっと多くの要請に応えられた事実があります.このことは事業主体である当院は真摯に受け取り,反省すべき事実です.また,運行だけではなく,格納庫,給油施設建設までを補助金対象にすべきでしょう.今後,ドクターヘリ事業を始められる自治体,病院は,我々の反省点も大いに参考にしていただきたいと思います.



1月は「行く」,2月は「逃げる」,3月は「去る」と昔から言われています.確かに,今月もあっという間に終わりました.だから春の訪れもあっという間かな.

2011年1月30日日曜日

1月30日 北近畿救急フォーラム終了

本日,無事北近畿救急フォーラムが終了しました.雪の中,大勢の方々が聴衆され,地元のFMでも生中継されました.長時間にわたるフォーラムでしたが,北近畿における医療全体のあり方,その中に救急医療があり,ドクターヘリ・カーがあること,ドクターヘリ・カーは特別な医療システムではないことなどなど,討論されました.市民の方々も参加され,今後の課題を含めた有意義なフォーラムであったと思います.

フォーラムの内容は地元のラジオ局「FMジャングル」で何度か再放送されるようです.お時間のある方は聞いてやってください.

2011年1月29日土曜日

1月29日 シンポジウム

横浜で開催された「第15回エンドトキシン血症救命治療研究会」のシンポジウムで発表させていただきました.「敗血症治療におけるモニタリングの活用」という演題です.敗血症治療に,簡便かつ低侵襲なモニタリングシステムを活用し,治療目標へ早く到達しようという我々の試みをまとめました.

当初は鳥取空港を使用する予定でしたが,日本海側が大雪のため急遽伊丹空港を使用することとしました.豊岡から伊丹空港までは自家用車.伊丹空港からの帰り道,八鹿あたりからあやしげな雪模様.北にあがるにつれ吹雪に・・・日高あたりから積雪量は格段に↑↑.もう雪景色は飽きました (-_-; .春の訪れを心待ちにしています.

明日は北近畿救急フォーラムです,

2011年1月27日木曜日

1月27日 3日目

降雪のためドクターヘリが運航を停止して3日目になります.こんなに降り続けることも珍しいのですが・・・三寒四温,明日は天気回復するでしょうか.

本日は岡本先生,藤巻看護師がドクターカー担当でした.3件要請,3件出動.3件とも救急車と途中ドッキングし,TECCMC搬送となっています.早期医療介入の実現がなされております.吹雪の中,大変お疲れ様でした.ドクターカーはドクターヘリの補完をがんばって担っております.


さて,多くの方々から報道に対するコメントをいただきありがとうございます.コメント覧以外にもメールなどで温かく,ありがたいご意見をいただきました.この場をお借りして返信にかえさせていただきます.

報道のされ方でとらえ方は様々であると思います.万人が納得,同意出来るものはないとも思っております.取材,ブログなど,この地域における救急医療のあり方,取り組みなどを情報発信することは大切なことであると考えております.地方都市における救急医療のあり方(もちろん行政,病院のバックアップがあってこそということは皆様百も承知かと思います),救急医療崩壊の後,新たな体勢を作り上げる過程で何が必要か,地域,組織の協力体制がいかに重要か,いつまでも情熱や熱意だけではダメなんだということ,言葉足らずで誤解が生じることもあるかもしれませんが,今後もTECCMCの今をお伝え出来ればと思います.

今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます.

2011年1月26日水曜日

1月26日 ytv ニュースten!特集

本日夕方から読売テレビ・ニュースten!特集でTECCMCの取材内容が放映されました.今回は『医療過疎に挑む医師たち』という内容です.但馬地域全体を考えると医師が不足している,だから救急患者がTECCMCへ集中,9名の救急医たちは少ない人数で24時間365日対応.そして医療過疎を補うドクターヘリとドクターカー・・・といった内容でしょうか.今回の主役は,

 

山邊先生です(写真をクリックすると特集動画へ飛びます).


これだけ見ちゃうと救急医や地方の病院は大変だと思われるでしょうが,決してそんなことはありません.TECCMCの救急医は6勤(内2勤務は24時間)2連休を基本としており,onとoffはきっちりしています.また,TECCMC 1点集中型救急医療は「たらい回しなし」「質の均一化」「豊富な症例」などのメリットも大きくなります.2次医療圏として約25万人,3次医療圏として約70万人.対人口を考えると,バランスのとれた地域かと思っております.

ちなみに前回のニュースten!特集で放映された内容は下の写真をクリックしてください.『日本一忙しいドクターヘリに密着』


取材の申し入れがあることはありがたいことです.TECCMCのありのままを見ていただくことで,特に地方都市における救急医療のあり方に一石投じられれば,と思っております.



本日は小林,番匠谷先生,安積看護師がヘリ・カー担当です.twitterでもぼやきましたが,朝から吹雪.今日はヘリの出番なしでした.ドクターカー要請は2件.2件とも出動後キャンセルとなりました.覚知同時要請が浸透している地域ならではの出動後キャンセルです.キャンセルを厭わず,今後も基準に合致すれば速やかに要請をかけてください.よろしくお願い申し上げます.

2011年1月24日月曜日

1月24日 平穏な日は短し

研修医の先生とひたすらWALK IN対応に明け暮れた夜勤明けの朝,一緒に泊まっていた山邊先生から緊急コールです.「心筋梗塞,心室中隔穿孔,ショック!」 初療室脇の仮眠室(医師控え室)から飛び出すと「やばい!!」と一瞬で感じられる患者さん.いつ心停止になってもおかしくない状況です.山邊先生は頭もとで気管挿管,小林は心カテ,PCPSに備え,大腿動静脈にカニュレーションを始めます.ICU当直の松井先生も呼び出しPCPSのプライミング.とその時,「PEA!」搬送してきた救急隊がすかさず胸骨圧迫.と同時に薬剤投与.1サイクルで心拍再開.体動も出てきますが不穏状態です.鎮静と同時にPCPS装着です.

そしてそのまま循環器科の先生により心カテ,心外の先生により手術・・・朝から目の覚めるような一撃でした.

昨日から循環器系の患者さんが立て続けです.寒い毎日です.屋内外,入浴時など寒暖差が激しくなっております.皆様,どうぞお気をつけください.



本日のドクターヘリ・カー担当は小林,山邊先生,清水看護師です.ドクターヘリは雪雲が逃げた一瞬の隙をついてヘリポートにやってきます.

☆ドクターヘリ1件目 痙攣

ヘリがやってきた直後に要請です.「突然倒れて意識なし.呼吸あり.」との情報.現場直近に着陸.積雪は約20cm,慎重に着陸しダッシュで現場へ.意識状態は朦朧とされています.呼吸,循環は問題なし.低血糖なし.既往も特になし.であれば突然の痙攣の原因を精査しなければ.

スクープに乗せ,皆でヘリまで搬入です.


早期医療介入,搬送時間の短縮から早期診断にいたりました.ご協力いただきました皆様,ありがとうございました.

☆ドクターヘリ2件目 離陸後キャンセル(意識障害)

覚知同時要請です.「突然倒れて意識無し.」との情報です.ヘリがランデブーポイント上空へ到着,着陸体勢に入る直前に「意識回復,救急車にて陸送します.キャンセル.」との無線連絡です.

重症でなくて良かったですね.



2件目のミッション直後に天候悪化.ヘリは再び但馬空港の格納庫へ・・・運航時間1時間で2件要請,2件出動.効率は良いのですが・・・早く春よおいで.



夕方,運航管理室で夕礼.皆が資機材の撤収に向かった直後にホットラインが鳴ります.「峠で多重事故.複数傷病者.閉じ込めあり.」とのこと.ヘリは天候不順にて飛ばせません.ならばドクターカーの出動です.

☆ドクターカー1件目 多重事故・複数傷病者

複数傷病者との情報.ヘリの資機材を余分にカーに持ち込み出動です.出動途中,消防本部と連絡をとります.「2名は緑,1名は赤で現在救出中.」との情報です.加温輸液などを準備しながら現場に向かいます.

峠の1本道.渋滞が見えてきました.そしてその先に事故現場.誘導に従い,ドクターカー停車.

video

安全を確認し現場へ入ります.現場の責任者からすでに緑の傷病者は2名とも救急車に収容との情報.山邊先生が最終的な医療トリアージを行い,TECCMC搬送を指示します.

赤の傷病者はいまだトラック運転席に挟まれています.現場救命士と共に観察.骨盤骨折,大腿骨骨折が疑われます.救助の邪魔にならないよう気をつけながら上肢に輸液路確保.呼吸,循環に変動がないことを常に注意しつつ救助を待ちます.

すると,「挟まれ解除!今から車外救出を行う!!」との報告.すると少しでも体を動かすと大腿などに激痛が.これでは脊柱の安定化を図った救出は困難です.そこで呼吸,循環が安定していることを確認し鎮痛薬の投与.これで多少は患者さんの苦痛も軽減します.


後は手慣れた消防の皆さんにより車外救出.屋外は雪と寒さが強いため,すぐに救急車内へ.そして外傷初期診療をあらためて行います.準備が出来次第,救急車はTECCMCへ向け出発.走りながらの診療とホットラインへの情報伝達.

現場に医師が出向くことで,病院選定から医療介入まで時間的ロスなく全てが進みます.

消防の適切な医師現場派遣要請と,TECCMCのドクターカー出動判断が上手くいった事案です.



平穏な日は短し.明日までにいったい何人入院されるのでしょうか・・・

2011年1月23日日曜日

1月23日 twitterもよろしくです

お気付きの方もおられるかもしれませんが,当ブログ上にtwitterのガジェットが追加されました.よりリアルタイムなTECCMCの今をお伝え出来ればと思います.皆様,フォローしてくださいねm(_ _)m





本日はヘリ,カーともに出動可能な状況でしたが,幸いなことに要請0件,出動0件でした.



でも,近隣からの搬入が多く緊急心臓カテーテル検査・治療が3連続でした.循環器科の先生方,ありがとうございました.寒い時期です.急な温度変化などには十分お気を付け下さい.

2011年1月22日土曜日

1月22日 来週は北近畿救急フォーラム

昨年,当ブログでも紹介しましたが来週1月30日(日)に北近畿救急フォーラムが開催されます.下のポスターをクリックすると詳細が見られます.


皆様,是非お誘い合わせの上お越しください.



本日はドクターカーが2件の出動です.内因性疾患2件.中枢神経系と循環器系疾患.搬送時間も長時間となっており,薬剤投与などで早期医療介入と状態の安定化が得られました.幸部先生,林看護師が担当でした.2人とも少々救急車酔いしたようですが・・・

2011年1月21日金曜日

1月21日 今日はカーのちヘリ

午前中は天候不順にてドクターカー対応,午後からは天候回復でドクターヘリ対応の1日となりました.TECCMCの病院前救急診療体制は「2 doctor制」です.ドクターカー出動時はsecond doctorが出動します.first doctorはカー出動時,ヘリ飛行可能となった場合に備えて院内待機(診療)となります.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,三浦先生,林田看護師です.

☆ドクターカー1件目 一過性意識消失

覚知同時要請でドクターカーが出動します.ヘリはまだ飛べません.三浦先生,林田看護師は片道30分近くかけてドッキングポイントに向かいます.救急を担う病院の少ないこの地域では,医師が出向く意義は非常に大きいのです.

ドッキングポイントで診療開始.患者さんの意識は回復しています.心電図など異常ないことを確認し,直近のかかりつけ2次病院へ搬送となりました.

☆ドクターカー2件目 出動後キャンセル

覚知同時要請で出動しましたが,救急隊現着後治療方針が確認されキャンセルとなりました.お疲れ様でした.

☆ドクターヘリ1件目 意識障害

天候回復し,ヘリがやってくると同時に要請です.「呼びかけに反応なし.」との情報.ヘリは10分もかからずランデブーポイント上空に到着します.


まもなく支援車が到着,ドクターヘリは積雪20cm程度のグラウンドに着陸.そしていつものごとく医療スタッフは支援車で現場へ!


5分後,患者さんのご自宅に到着.我々が先着です!覚知同時要請,ドクターヘリの威力です!!ご自宅まで資機材を担いでダッシュ.安全靴を脱いで「但馬救命です,おじゃまします!」 居間で横たわる患者さん・・・程なく救急隊到着.しかし残念ながら状況は医療介入の範疇を超えており,その後到着した警察に引き継ぎを行い現場引き上げとなりました.

支援車にランデブーポイントまで送ってもらい帰投です.雪とドクターヘリ.但馬では当たり前の光景になりつつあります.




本日もお疲れ様でした.

2011年1月20日木曜日

1月20日 次世代

病院前救急診療で大切なのは「質」です.医師免許,看護師免許があれば誰でも現場に出て良いわけではありません.on & off the job trainingで鍛え上げられたものだけに許されたフィールドと思っております.昨年の4月からTECCMC FLIGHT TEAMのドクター,ナースはほとんどのものが,80〜100フライト以上を経験しています.次世代の指導者も育ちつつあります.first doctor(指導者)が現場に共に出向きドクター,ナースを共に育てる,これが「質」の担保につながると確信しております.

画像は岡先生,山邊先生でのフライト(米田看護師撮影).これからは多様な組み合わせが増えていくことでしょう.




本日はドクターカーが2件の出動です.岡先生,濱看護師が対応しています.外傷例に内因性(中枢神経)疾患.共に早期医療介入につながっています.



明日は視程が回復すると良いなあ・・・

2011年1月19日水曜日

1月19日 感謝,感謝

先日,ありがたいお届け物がありました.年末のブログで「バスクリン」の話題を取り上げたところ,ブログの読者の方経由でバスクリンさんに連絡がいき,本日ドクターヘリ事業に「バスクリン」の提供が実現しました.多くの方々に支えられ,本当にありがたいことです.この場をお借りして感謝申し上げます.ご厚意を有効に活用させていただき,ドクターヘリの安全運行と救命率向上へより一層の努力を行います.




今日の日勤帯だけで外傷,膵嚢胞破裂,くも膜下出血,小児頭部外傷,吐血などの症例が救命救急センターへ入院されました.朝の回診でベッドコントロールを行いますが,あっという間にベッドが埋まりますね.しっかり治療を行って,はやく元気になっていただくことが一番のベッドコントロールです.



本日のドクターヘリ・カー担当は小林,山邊先生,福本看護師です.スタッフの1日はドクターカーの点検,ドクターヘリの点検,朝礼で始まります.点検中に要請は入ることもあり,常にスタンバイ状態です.

☆ドクターヘリ1件目 意識障害

覚知同時要請です.要請時,雪雲が迫ってきているとの情報.ドクターヘリがランデブーポイントへ到着出来ない可能性もあります.そこで,万が一に備えドクターカーも出動です.山邊先生がドクターカーに乗り陸から,小林と福本看護師がドクターヘリで空から向かいます.「食事中に突然の意識障害.」との情報です.空と陸から患者さんの元へ向かいます.天候状況に見合った病院前救急診療の提供を工夫します.数分後,「救急隊現着時,意識回復にてキャンセル.」

結果的にキャンセルとなりましたが,このような覚知同時要請こそが早期医療介入をもたらすのです.今後ともどうかよろしくお願いします.

本日の豊岡市内(豊岡駅上空).今年は雪がよく積もっているようです.



☆ドクターヘリ2件目 くも膜下出血

1件目の出動中に要請が入っていました.ヘリは1件目のキャンセルと同時に本事案へ進路変更です.カーはそのまま帰投.本事案も覚知同時要請.「突然の激しい頭痛.」との情報です.くも膜下出血が疑われるキーワード,迅速な脳外科対応可能な病院は北近畿ではTECCMCのみです.陸送であれば1時間以上かかる地域,ヘリであれば医療介入までの時間短縮は図りしれません.

雪のない海岸沿いの駐車場へドクターヘリは着陸します.冬の日本海の荒波が間近に見られますが,風は冷たく,防寒用の手袋をして救急車の到着を待ちます.


数分後,救急車到着.救急車内で診療を開始,やはりくも膜下出血が疑われます.幸い意識レベルはI桁.動脈瘤の再破裂に細心の注意をはらいつつヘリでTECCMCへ搬送です.

10分後,ヘリポート着陸.そして,direct CT.予想通りの結果です.発症から1時間以内に診断がつき治療が開始されました.



要請側である消防の意識の高さと救急に対する真摯な考えが,多くの覚知同時要請を実現しています.病院までの搬送時間が長い地域こそ,覚知同時要請が必要かつ有効となります.結果的にキャンセルであってもかまいません.これからも遠慮なくどんどん要請をかけてください.よろしくお願い申し上げます.



本日のおまけ画像.ドクターヘリ,ドクターカー,救急車.1年前では考えられない医療システムが構築されました.このシステムを益々充実させ,維持することが我々の責務であります.



2011年1月18日火曜日

1月18日 朝の出勤時

朝の出勤時,車のフロントガラスがテカテカ.凍っていました・・・しかし,雪は降らず定刻通りにドクターヘリが但馬空港の格納庫からやってきます.

朝日を背に出動を待つJA822Hドクターヘリです.


初療,ICUは久しぶりに落ち着いています.こんな日が続くと良いですね.しかし,1日1例くらいは頭を悩ます症例が搬入されます.今日は内分泌・代謝系の重症患者さん.初療担当の岡先生,ICU担当の番匠谷先生が治療方針を立ててくれました.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,岡本先生,安積看護師.岡本先生はドクターカーシステム構築の担当でもあります.病院前救急診療は「simple is best.」 TECCMCのヘリ・カー共にメモも要らないくらいの必要最小限の情報だけで現場対応しています.情報をくれる救急隊も現場活動中なのですから当然です.今日もそんなドクターヘリ対応を岡本先生は淡々と行います.

☆ドクターヘリ1件目 脳梗塞

覚知同時要請,「突然の意識障害.」との情報です.降雪のない空を快適に飛行します.途中,本部からの追加情報.「意識レベルII桁.左麻痺.」 後は現場で救急隊から引き継げば問題ありません.機内で方針を決め,除雪がきれいに行われているランデブーポイントへ着陸です.日々の除雪,ありがとうございます.


ヘリの着陸と同時に救急車も到着.車内で診療開始です.ABCはOK.低血糖なし.CPSS 3項目要請.発症時間もはっきりしています.血栓溶解療法の適応を考え,TECCMCへ搬送です.ヘリなら15分弱,陸送なら1時間以上.やはりヘリは偉大な医療ツールの1つです.

ヘリポートからdirect CT.やはり現場の読み通りでした!



本日は朝から日没までヘリ対応可能な1日でしたが,幸い比較的平穏無事に終わりました.ドクターカー出動もありませんでした.



まだまだ寒い日が続きます.皆様,どうぞご自愛ください.

2011年1月17日月曜日

1月17日 吹雪時々晴れのち吹雪

本日も日勤帯は救急車だけで10件以上.1次〜3次までくまなく搬入されます.松井先生,山邊先生,初期研修医の生田先生がテキパキと対応していきます.

今日も朝から吹雪.寒波はもういりませんわ.でもそんな中,一瞬の晴れ間を見計らってヘリがやってきます.



本日のドクターヘリ・カー担当は小林,番匠谷先生,林看護師.

☆ドクターカー1件目 交通外傷・閉じ込め事案

ヘリがまだ出動出来ないため,カーが出動です.覚知同時要請.救助事案のため現場近くでドッキング.番匠谷先生は外傷初期診療を開始.幸い,大きな外傷もなく安定した状態でTECCMC搬送です.

☆ドクターカー2件目 痙攣

ヘリポートへヘリ着陸と同時に雪模様.これでは飛行不可能・・・そんなタイミングで要請です.ヘリ飛行不能のため,カー出動!番匠谷先生,林看護師はドッキングポイントを目指します.小林は運行管理室で天候の回復具合を待ち,ヘリで迎えに行けるか否かの判断を待ちます.すると,「今ならこの方面は飛行可能!」 ヘリ出動です!



☆ドクターヘリ1件目 上記事案

小林を乗せたドクターヘリはヘリポートを離陸.ランデブーポイントへ向かいます.途中,ドクターカーの走行位置を無線で確認.ヘリのランデブーポイントで同流可能と判断します.

飛行時間10分弱.ランデブーポイントへ着陸し救急車内で診療開始.患者さんの意識は回復,ABCの問題なし.CPSS 0項目.しかし痙攣があったことは確かなようです.であれば精査目的にTECCMC搬送とします.搬送に移ろうとしたその時,カースタッフが到着(この時点でカーはキャンセル扱い).そのまま共にヘリへ乗り込みTECCMCへ戻ります.


早期医療介入を行うために,カーで向かう.そして,天候の回復があればヘリ出動.空と陸.もしこれが救命につながれば,医療資源の有効活用となります.それが10事案中1事案でも良いと思っています.TECCMCも消防も同じ方向を見据え,救急医療を提供しています.これが北近畿のすばらしさです.



本日は見学の先生が来られました.TECCMCの日常を垣間見られたと思います.うちの救命救急センターはこんなところです.少ない人数ですが,最大限の結果が出せるようがんばっています.是非,仲間に加わってください!

2011年1月16日日曜日

1月16日 格納庫工事着工

先日から格納庫建設工事が始まりました.こんな雪模様が続く中,早期の完成を皆が切望しております.


本日のドクターヘリ・カー担当は小林,松井先生,森田看護師です.大荒れの雪模様にて本日はヘリが運休.代わりにカーが活躍です.

☆ドクターカー1件目 心肺停止

覚知同時要請.雪のため救急隊も現着に時間を要します.カーは現場近くまで到達,救急隊とドッキング.ALSを引き続き,心拍再開!そのまま直近のかかりつけ病院へ搬入です.

☆ドクターカー2件目 意識障害(脳内出血)

覚知同時要請.近隣の病院群は受け入れ不能.そのため救急車はTECCMCへ進行方向を向けます.途中ドッキング.幸い,ABCは安定しています.脳卒中が疑われた状態.そのままTECCMCへの搬入です.



有用性を評価することは難しい事案ですが,2件ともに早期医療介入が実現しております.ヘリの補完として,カーはその役割を確実にこなしております.



バタバタの日勤も終わり,岡先生,幸部先生,小林は急性腹症の緊急手術です.なかなか大変な手術でしたが,無事ICUへ.術後管理は今宵のICU担当の三浦先生に任せます.



気がつけば日付も変わりそう.さて,晩ご飯何にしようか・・・これが脂肪蓄積の原因なのでしょうね.春になったら皆で運動・トレーニングしましょうか!?



2011年1月15日土曜日

1月15日 ヘリで15分,車で1時間20分

今日は雪も上がり,ヘリ出動可能です.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,幸部先生,藤巻看護師.初療はWALK INと救急車搬入で溢れています.

☆ドクターヘリ1件目 中心性頸髄損傷

休日のスキー場,やはり要請があります.覚知同時要請.1月8日に着陸したスキー場からです.「スキーヤーとボーダーの接触事故.傷病者1名.一過性意識消失と上肢のしびれ.」との情報です.

藤巻看護師は加温輸液の用意をします.外に持ち出しても温度が下がらないように,保温バッグを活用します.



ヘリは10分少々でスキー場上空に到着.前回同様にゲレンデ上にマーキングがあり,安全確保がされています.上空から十分に安全を確認しゆっくりと着陸.圧雪上にヘリが安定着陸したことを確認し医療スタッフはヘリを出ます.



着陸地点のすぐ横にパトロールセンター.そこに患者さんがいます.医療スタッフ3人で外傷初期診療開始.ABCDは問題なし.FAST negative.しかし,両上肢にしびれがあり,頸髄損傷が疑われます.であればバックボードに全脊柱固定し搬送です.

ここで救急隊到着.やはり冬期こそヘリが早期医療介入をもたらします.全員でバックボードを持ち上げヘリのストレッチャーまで搬入です.


JA822Hドクターヘリはいつも通りにエンジンスタート.真っ白なゲレンデを後にTECCMCを目指します.

本日も関係者の皆様の多大なるご協力により,スキー場における迅速なドクターヘリ運用が可能となりました.この場をお借りして感謝申し上げます.

☆ドクターヘリ2件目 転落・交通外傷

日没直前に要請です.覚知同時要請.「年齢,性別不詳.乗用車が川に転落.」との情報だけです.ヘリは日没までの時間を考慮しながら現場へ上空を目指します.

太陽は山の稜線へ沈もうとしています.


無線情報で現場を特定し,ヘリで向かいます.ランデブーポイントから現場までは陸路で10分以上かかりそう.ならば現場直近への着陸が早期医療介入につながり,日没までに医療投入可能と判断します.幸い,休耕田が沢山あります.

消防に許可をとり,上空から安全を確認しヘリは直近に着陸,医療スタッフはいつも通り資機材を担いで数百メートル,ダッシュ!!


場は谷底.救助には時間を要します.しかし,ここでヘリは日没にかかるため離陸,帰投しなければなりません.当然,我々は現場活動中につき,そのまま居残りです.


医療スタッフの安全と救助中のタイミングなどから,我々は患者さんが引き上げられるのを待ちます.


極寒の現場で,外傷初療を開始します.しかし,状況は非常に厳しく残念ながら医療の手が届く状況ではありませんでした.現場で警察の方々に引き継ぎを行い,現場を後にしました.

さて,どうやってTECCMCまで帰ろうか??ヘリなら15分のところ,3人で1時間20分かけて帰院いたしました.



今宵はこのまま夜勤でしたが,帰院が遅くなったため相棒の松井先生,日勤からの居残りの倉橋先生にはご迷惑をおかけしました.すみませんm(_ _)m



覚知同時要請のドクターヘリの威力,早期医療介入そして搬送時間の短縮,本日もいろんな意味で実感いたしました.




2011年1月14日金曜日

1月14日 講演

今日も不安定な空模様です.

本日,小林は倉吉市にある鳥取県立厚生病院の救急集中治療セミナー講師に呼んでいただきました.豊岡から倉吉まで2時間30分のドライブ.院長はじめ外科の先生方は医局の同門,他の科の先生方も同窓生です.ドクターヘリや集中治療におけるモニタリングの話をさせていただきました.

本日のドクターヘリ・カーの担当は岡先生,山邊先生,米田看護師です.

☆ドクターヘリ1件目 転落外傷

晴れ間が見え,ヘリを病院へリポートへ持ってきた直後の要請です.この時,他に2事案要請が重複していました・・・「雪下ろし中に屋根から転落.」との情報です.

ヘリは雪雲をさけながらランデブーポイントを目指します.しかし,厚い雪雲が行く手を阻みます.「指定のランデブーポイントまで行けません.ヘリは引き返します.」と無線連絡.消防からの情報では骨盤骨折が強く疑われるとのこと.であればTECCMCへの搬送が最善.現場から陸送であれば1時間以上はかかります.ならばヘリで行けるところまで行って,救急車と途中ドッキングにミッションを切り替えます.

消防とランデブーポイントを調整,ヘリは海岸線のランデブーポイントで救急車到着を待ちます.しかし,雪雲の移動が思ったより早く,このままでは飛行不能になることが懸念されます.山邊先生,米田看護師をランデブーポイントへ残し,ヘリは離陸,岡先生と共にTECCMCへ帰投.岡先生は別事案へのドクターヘリあるいはカー対応に備えます.

ランデブーポイントではそのころ救急車が到着.外傷初期診療が開始されます.呼吸,循環は崩れていません.やはり骨盤骨折,大腿骨骨折が疑われます.救急車に山邊先生,米田看護師は同乗し,TECCMCを目指します.搬送時間の短縮は出来ませんでしたが,早期医療介入は達成することが出来ました.

センター搬入後,予想通りの診断結果.幸部先生,番匠谷先生でTAEが行われ,安定した状態でICUへ入床されました.



いつもこんな感じでヘリまでダッシュです.




☆ドクターカー1件目 キャンセル

1件目からの帰投直後,ヘリは天候不良のため但馬空港へ.現在,その補完としてドクターカーが運行しています.そんな中,意識障害,脳血管障害疑いにてドクターカーが出動します.

しばらく走ると,「直近かかりつけの病院へ搬送.ドクターカーキャンセル.」との連絡.同時要請ならでわのことです.



本日も適切なタイミングと内容判断でヘリ,カー要請が行われました.ありがとうございました.


2011年1月13日木曜日

1月13日 今日も雪

昨夜からの雪は断続的に降り続け,朝のJA822Hドクターヘリは・・・


ひゃ〜,寒そう・・・この後,機長さん,整備士さん達が雪かきをしてくださいました.しかし,天候は回復せず,本日も運休.申し訳ありません.

今夕,緊急手術です.他院からの紹介患者さん.交通外傷による小腸損傷です.岡先生,番匠谷先生,吉山先生(他院からの研修DR.)に担当してもらいます.小林は手術室の中でウロウロ.1時間少々で手術も無事終了です.早く元気になってくださいね.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,松井先生,清水看護師です.ヘリの出番なし.

☆ドクターカー1件目 狭心症

覚知同時要請.ドッキングポイントで診療を開始すると急性冠症候群.松井先生は適切な薬剤投与を行いながらTECCMCへ帰ってきます.センター到着時,患者さんの症状は軽快しておりました.

☆ドクターカー2件目 意識障害

覚知同時要請です.意識障害との情報.幸いにも救急隊現着時,意識も回復しキャンセルとなりました.



今夜も寒そうです.皆様,御自愛ください.

2011年1月12日水曜日

1月12日 突然の吹雪

今日の日勤帯の初療は大荒れ.ひっきりなしに救急車がやってきます.さすがの日勤責任者・番匠谷先生もてんてこ舞い.院内各科の先生方に上手く引き継いだり,当科入院でICU担当の岡先生に引き継いだりしてあっという間に夕方になりました.お疲れ様.

そんな中でも緊急手術はあります.透析患者さんの急性腹症.番匠谷先生,岡先生,小林が担当です.術後の呼吸管理,循環管理,CHDFなどは岡先生が引き続きの担当.明日には抜管出来そうですね.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,岡本先生,福本看護師.晴れ間を見計らって但馬空港からヘリをもってきます.ところが・・・冬の天候は変わりやすく,一瞬で吹雪きに.急場しのぎでシートをかけ機体を保護します.


しかし,このまま天候は回復せず,今宵はヘリポート駐機.整備士さんが夜通し雪下ろしです.

格納庫の完成は3月中旬.今の時期に格納庫があれば解決出来ている問題も多くあります.今後ドクターヘリを導入される基地病院さんは,運航開始前に格納庫・給油設備をご準備されることをお勧めいたします.現場のストレスが全然違います.

こんな状況を補完するのが,ドクターカーです.本日は2件の出動がありました.

☆ドクターカー1件目 意識障害

救急隊と共に現場へ.初期治療と診察を行いながらTECCMCへ搬送です.

☆ドクターカー2件目 意識障害・片麻痺

突然の意識障害と片麻痺.カー要請を行いつつ救急隊は直近の病院を選定しますが,案の定不応需.カーはそのまま救急車とドッキング.初期診療を行いながらTECCMCへ搬送です.このように長距離搬送の場合,途中ドッキングでの早期医療介入は非常に有用であります.



天候不良でヘリが飛べず,本当にご迷惑をおかけしております.ヘリであれば短時間ですむ救急車活動時間も,ヘリ飛行不能のため救急車での長距離搬送となり,その地域の救急車不在時間が長時間になることを非常に心苦しく思います.隙あらばヘリ要請に出来るだけ応需したいと思います(天候次第ではありますが・・・).どうぞ,引き続きよろしくお願い申し上げます.

2011年1月11日火曜日

1月11日 700 FLIGHT

昨夜からの夜勤はくも膜下出血2件の術前,術後管理,緊急入院対応などで結局あまり寝られませんでした.

本日の初療は偶発性低体温症,多臓器不全,急性腹症などなど相変わらずの1日でした.

ICUではCHDF,人工呼吸管理(NPPV含む),脳圧管理など得意のモニタリングシステムを駆使し集中治療管理を行っております.今宵のICU担当は三浦先生.少々,大変なICUですががんばって皆さんを良くしてください.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,番匠谷先生,濱看護師.報告する4フライトで年度合計が700フライトになりました.有効にドクターヘリを活用してくださる消防の皆様,各医療機関の先生方,安全な飛行を支えてくださる多くの関係者の皆様へ感謝申し上げます.また,遠慮無くもっともっとドクターヘリをご活用ください.フライトチーム一丸となって邁進して参ります!


昨日の夜降り積もった新雪がヘリポートを覆っています.そこへJA822Hドクターヘリは朝日を背に舞い降りてきます.

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着陸後のヘリポートにて.


☆ドクターヘリ1件目 離陸後キャンセル(交通外傷)

朝のカンファレンスが始まった直後に一斉PHSが鳴ります.「通学途中の中学生.自転車で転倒し意識なし.」との情報で,覚知同時要請です.しばらくのフライト途中に「意識清明.救急隊にて対応可能にてキャンセル.」との連絡.大事に至らず良かったです.

重症外傷が疑われる場合,このようなキーワードでの覚知同時要請,早期医療介入が患者さんの予後を改善いたします.今後もキャンセルを厭わず,遠慮無く同時要請してください.

☆ドクターヘリ2件目 施設間搬送(大動脈解離疑い)

1件目から帰投した直後に要請です.スタッフはそのまま再離陸.「大動脈解離疑いにての施設間搬送.」との情報です.初療対応医の幸部先生には連絡済み.陸路では40分以上かかりますが,ヘリだと5分少々.重症度・緊急度が高いと疑われる事案には,ヘリによる搬送時間の短縮が有効です.

ランデブーポイント上空に到着.積雪のグラウンドに着陸です.

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無事着陸.


消防の方と一緒に,ストレッチャーの搬入のため皆で雪かきです.施設間搬送なので,先方のドクターがランデブーポイントまで救急車同乗で来られます.


雪かき完了と同時に救急車到着.車内で状態の安定化を確認.先方のドクターから申し送りを受け,患者さんを皆でヘリのストレッチャーへ乗せかえ,TECCMCへ搬送です.

診察の結果,幸い緊急性を要する疾患ではありませんでした.

☆ドクターヘリ3件目 偶発性低体温症

2件目の搬送途中に要請です.ならば患者さんをヘリポートで引き継ぎ,連続出動とします.ヘリポートへ着陸,エンジンカットせず安全な場所で患者さんを院内スタッフへ引き継ぎます.そして,我々は再び空へ.

「意識無い,体が冷たい.」との情報です.途中,消防本部からの追加情報,「意識レベルIII桁.徐脈,低体温,頸動脈でかろうじて脈の触知可.」 低体温症です.確かに昨夜から朝にかけては非常に寒かった・・・

ヘリは積雪30cm〜40cm程度のランデブーポイントへ着陸.ここでも救急車到着までストレッチャー搬入経路の雪かきです.


程なく救急車到着.車内で初期診療を開始.低体温,徐脈,ショックです!末梢ルートを確保しようにも血管は攣縮してありません.ならばBIGで骨髄輸液路確保.これで加温輸液の投与が可能になります.何はともあれ体温を上げなければどうしようもありません.初期治療を速やかに行い,ヘリへ搬入.TECCMCヘ数分で搬送です.

積雪時のランデブーポイントでは,消防の皆様に今まで以上にお世話になっております.ありがとうございます.引き続き,今後ともどうかよろしくお願い申し上げます.

☆ドクターヘリ4件目 離陸後キャンセル

覚知同時要請です.「温泉内で心肺停止疑い.」との情報です.ヘリは10分弱で除雪されたランデブーポイントへ着陸.すると,「意識レベル清明.救急隊にて対応可能・ヘリキャンセル.」との無線連絡です.本事案も大事に至らず良かったです.


同じ但馬でも,地域によってこれだけの積雪量に違いがあります.安堵感に包まれながらヘリは病院ヘリポートへ帰投します.

本日も雪の中,大変お疲れ様でした.



おまけ画像.運航管理棟・救命救急センター医局棟の前に「雪だるま」がやってきました.ちゃんと顔もあります (^_^).






2011年1月10日月曜日

1月10日 連休終了

今日もぐずついた天候.冬の空模様は刻一刻と変化します.

昨夕,初療ではERT,骨盤骨折に対する後腹膜パッキングが行われたり,救急車でごった返したりで大変でしたが,本日の初療は救急車の搬入件数はいつも通り.そのかわりWALK INは多い・・・もう少し休日診療所を有効に活用する必要があります.

ICUは年明けで一番落ち着いています.こんな時もなければ.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,倉橋先生,林田看護師です.午前中はヘリの離陸が出来ず,カー対応です.

☆ドクターカー1件目 心筋梗塞

朝のカンファレンス中に要請です.いつもはヘリでひとっ飛びなのですが,本日はカー対応.それでも病院選定はTECCMCしかありませんから,救急車と途中ドッキング.医療介入開始までの時間は半分に短縮されます.走行しながらの薬剤投与,診断.その情報をもとに,初療では待ち構えていた循環器チームに引き継いで恨治的治療開始!

☆ドクターカー2件目 一過性意識消失

覚知同時要請.こちらも途中トッキング.幸い,呼吸,循環,意識も安定しておられました.

☆ドクターカー3件目 VF

覚知同時要請.こちらも途中ドッキング.救急隊が特定行為による治療を始めています.医療スタッフは薬剤の選択,原因検索にあたれば良いのです.本事案ではドッキングから初療搬入までに少々時間を要しておりました.1例1例を振り返り,検証することで病院前救急診療の「質」が担保されますし,担保しなければなりません.



お昼前,晴れ間がのぞき始めました.それを見計らってJA822Hドクターヘリがやってきます.


ヘリポートの雪を巻き上げながら着陸.機材を積み込みます.そして・・・

☆ドクターヘリ1件目 意識障害(くも膜下出血)

救急隊現着後の要請です.覚知段階では「意識あり.」との情報.しかし,救急隊現着後に嘔吐,意識レベル低下.これは・・・救急隊は「頭蓋内病変!やばい!!」と判断し,現場で必要な処置を開始しつつ,ドクターヘリ要請です.こんな迅速な判断と対応が出来る救急隊によって,1つの命が確実に救い上げられます.

雪雲をさけながら飛行します.晴れ間の冬の日本海は美しい風景です.


ランデブーポイントに到着.救急車も同時に到着です.グラウンドはぬかるんでいるため,出来るだけ入り口近くにヘリは着陸します.

救急車内に駆け込んで診療開始.やはり頭蓋内病変のようです.瞳孔に左右差も出始めています.気道もあやしい.であれば十分な鎮静下に気管挿管し,低酸素による2次性脳損傷を防がなければ.緊迫する中,なんとか気道確保完了.後は血圧の上昇に注意しながら搬送です.この地域の脳血管障害はすべてTECCMCへ搬送されます.この地域であれば陸送1時間.この症例が陸送であれば・・・考えただけで大変です.

ぬかるんだグラウンドの上でヘリのストレッチャーに乗せかえ.そして,10分もかからずTECCMCヘ.


そして,ヘリポートからのdirect CT.やはりくも膜下出血.さて,脳外科チームを呼んで手術です.手術前の準備は我々の仕事.ルート確保・整理,A-line確保などなど.

初療対応中の岡先生です.




今宵は番匠谷先生と夜勤です.静かな静かな夜であることを望みます.



2011年1月9日日曜日

1月9日 ヘリのちカー

今日も初療は大賑わい.皆様,お疲れ様.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,三浦先生,安積看護師です.午前中は視程も良く,問題なくフライトできそうです.

☆ドクターヘリ1件目 痙攣

朝の点検を始めようとした矢先に要請が入ります.急いで機材を積み込み出動!「意識障害.痙攣.」との情報です.ランデブーポイントまで数分.数cm積もった雪のグラウンドに着陸.


すぐに救急車も到着します.三浦先生と車内に乗り込み診察開始.患者さんは痙攣重責の状態.ルート確保し薬剤投与,痙攣は速やかに消失します.早期医療介入の効果です.気道,呼吸,循環は安定しています.ならば,痙攣の原因精査のためにTECCMC搬入です.

そして,ヘリポートからdirect CT.診断も迅速です.

☆ドクターヘリ2件目 呼吸困難

覚知同時要請です.「呼吸困難を訴えている.」との情報です.ヘリはランデブーポイント上空へ速やかに到達.その直後,「軽症にてキャンセル.」 機内に安堵の空気が流れ帰投です.

いつもいつも早期要請をかけていただきありがとうございます.その効果は間違いなく出ております!

☆ドクターカー1件目 心肺停止の疑い

覚知同時要請です.カーが2m出動したところで「軽症キャンセル.心肺停止なし.救急隊対応.」との連絡.大事に至らず良かったです.

☆ドクターカー2件目 意識障害

覚知同時要請です.この時点で悪天候のためヘリは出動不可能.カーで出動です.陸路でのドッキングには30〜40分かかります.早期の道路整備が望まれます.

みぞれ降る中,ドクターカーはひた走ります.10分後,消防からの連絡.「かかりつけの病院へ搬送します.」 患者さんにとって,最良の救急医療が提供されればそれで良いのです.ヘリもカーもその一端を担っているだけ.どんどんご活用ください.

今日はヘリ,カー併せて4要請,3キャンセルと珍しい結果でした.

仕事を終えて待機場所に停められるドクターカーです.




明日はまたまた冬型の天気らしいです.早く春が来ないかなあ.

2011年1月8日土曜日

1月8日 ゲレンデ着陸

世間は3連休の初日だそうです.お昼くらいに気付きました.救急医たちは交代制勤務なので日付の感覚がありません.看護師さん達と同じですね.

今日は午後から初療はごった返しておりました.観察室のベッドが足りず,簡易ベッドを持ってきて対応.敗血症性ショック,脳内出血,外傷などなど.緊急度・重症度の高い方を優先いたしますので,待ち時間が発生することは御了解ください.

ICUは気管切開,血液浄化療法,人工呼吸管理と,比較的淡々と業務が行われていました.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,松井先生,森田看護師です.朝から天気も良く,本日はストレス無くヘリ出動可能です.

☆ドクターヘリ1件目 頸髄損傷

今シーズン初めてのスキー場事案.「スノボで着地に失敗.頭を強打.」との情報です.現場はスキー場の密集地.取り敢えずは決められたランデブーポイントへ向かいます.

数分で現場付近上空に到着.スキー場の特定に少々時間を費やしましたが,場所を特定.消防本部から,「支援隊,救急隊の到着には時間を要する.スキーパトロールに連絡済み.着陸ポイントの設定,安全確保確認済み.上空からの安全を確認の後にゲレンデに着陸願う.」との無線です.


上空から着陸ポイントの目印を確認.


スキー場のゲレンデに着陸です.


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安全に着陸,そのまま目の前のパトロールセンターへ向かいます.ヘリ着陸とほぼ同時に救急隊もスノーモービルに乗って到着.関係者の皆様のご協力で,早期医療介入が実現いたしました.ありがとうございます.

患者さんは意識清明,呼吸,循環は安定していますが上肢の知覚過敏,運動麻痺を訴えています.頸髄損傷かあ・・・骨折があれば手術も必要ですし,薬剤投与も急がねばなりません.その後のリハビリも.患者さんの住所は?大阪方面.スキー場ですから遠方の住所の予想済みです.ここからであれば30分以内に大阪への搬送は可能です.早速,松井先生は病院選定.その間に患者さんをヘリに搬入です.


ゲレンデの圧雪された雪面に着陸しているJA822Hドクターヘリまで,皆でバックボードごと持ち上げ搬送です.

搬送先病院決定.周囲の安全を十分に確保していただいたドクターヘリはゲレンデから離陸.晴天の雪山をあとにします.

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搬送中,状態の変化無く無事病院到着,引き継ぎを行います.

今回,初めてゲレンデに着陸しましたが,多くの方々にご協力により迅速な対応が可能でありました.そのお陰で,早期医療介入と搬送時間の短縮にもつながり,患者さんにとっては後遺症軽減につながることになります.あらためて,スキー場および消防の関係者の皆様に御礼申し上げます.

☆ドクターヘリ2件目 交通外傷(骨盤骨折,出血性ショック)

1件目の搬送を終えた直後に要請です.しかし,燃料が足りません.一度,直近の空港で給油してから要請継続を問うこととします.

いつもより給油時間を長く感じながら待ちます.給油完了.要請は?「要請継続,要請継続.ランデブーポイント○○番に向かってください.」とCSから.どうやら直近含め,受け入れ先の病院がないようです.受傷機転,状態の情報などから重症が予測されます.

受傷から1時間,ヘリはようやく患者さんと接触します.受け入れ先がない状態ではこれが最善なのかもしれません.救急車内に乗り込み,松井先生と外傷初期診療を開始.気道,呼吸,循環は見た目上問題ないようにみえます.しかし,皮膚は湿潤,冷汗あり!体は正直です.ではその原因は?骨盤骨折かも!患者さん御自身は足の付け根を痛がられます.初期輸液を行いながら,迷わずTECCMCへ搬送です.

搬入し,primary surveyからsecondary survey.やはりありました,後方成分のやられた不安定型骨盤骨折,しかも出血しています.高齢者の場合,突然急変する可能性もあります.注意しつつ血管造影と骨盤創外固定の準備.とその時,恐れていたことが・・・突然の循環不全.緊急輸血,気管挿管.何とか立ち上げます.急がねば.しかし,状況はどんどん厳しくなっていきます・・・



ドクターヘリは万能ではありません.その地域の医療システムの1つとして有効に活用されてこそ,その効果を発揮します.やはり一番足りないのは,受け入れ先の病院,医師なのでしょうか.国,行政の対応は・・・何年経っても変わりません.ドクターヘリ事業に携われば携わるほど,こんな問題もあらためて痛感させられます.



夜,車の窓が凍っていました.寒いはずです.



2011年1月7日金曜日

1月7日 本日も・・・

昨日に引き続き,本日も冬型の天候.ドクターヘリは丸1日運休・・・ドクターカーは1件出動.キーワード方式によるヘリ要請はそのままカー要請に切り替えられます.

本年もドクターヘリ,ドクターカーをよろしくお願い申し上げます.

2011年1月6日木曜日

1月6日 吹雪

今日は朝から吹雪・・・ドクターヘリは丸1日運休です.こんな時はドクターカーが活躍してくれます.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,番匠谷先生,林看護師です.

☆本日のドクターカー1件目 交通外傷・傷病者2名

吹雪なので初療もいつもに比べのんびりしています.ヘリ・カー要請もなく,本日は静かに終わるかと思った矢先・・・ドクターカー要請のPHSが一斉に鳴ります.

カーに乗り込み要請先の消防本部に連絡します.「トラックと軽トラックの衝突事故.傷病者2名.詳細は不明.ドッキングポイントは・・・」 カーはすでに出発しています.ドッキングポイントまでは約40分.雪道ではスピードもだせません.交通外傷を受けられる病院はTECCMCだけ.病院選定の必要もなく,TECCMCに向かってくる救急車と途中ドッキングすれば良いのです.早期医療介入と状態の安定化,そして必要に応じた治療のprehospital order.カーはドッキングポイントに向け走ります.

途中の峠ではこんな吹雪・・・

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吹雪を抜け,救急車とドッキング.医療スタッフの3名は救急車内に乗り込みます.傷病者は2名ですが,幸い1名は軽症.1名も状態は安定しています.番匠谷先生と手分けして,救急車を走らせながら外傷初期診療を開始.走行中に継続的な診療を行います.

やってきた雪道をTECCMCへ.そして,初療搬入.ヘリを補完するカー,冬期の但馬には有効な医療ツールの1つです.



本日は定例のヘリ・カースタッフ会議が夕方から開催されました.こうやって,1つ1つの形がが形成されていきます.

2011年1月5日水曜日

1月5日 こんな日も・・・

救急車24台(ヘリ搬入含む),入院20名(内,救命救急センター7名).このほとんどが日勤帯に集中しておりました.さずがの岡先生,三浦先生コンビもグッタリ.本当にお疲れ様.でもこれで終わりではなく,夜間に緊急手術2件.集中するこんな日もありますね.いつもいつもこんな感じではないのですが (^_^;

本日のドクターヘリ,ドクターカー担当は小林,山邊先生,清水看護師.朝は病院周辺だけ霧が濃くこんな感じ.


 しばらくするとこんな感じ.


こうなると何の憂いもなく飛び立てます.

☆ドクターヘリ1件目 施設間搬送(呼吸不全)

透析患者さんが突然の呼吸困難にて施設間搬送の依頼です.ヘリは雪山を横目にランデブーポイントまでひとっ飛び.


ランデブーポイントで救急車内の患者さんを診察します.頻呼吸,努力様呼吸,酸素飽和度低下,頻脈・・・非常にcriticalな状況です.いつ心停止してもおかしくない!このまま飛行するのは危険と判断し鎮静下に気管挿管を行います.とその時恐れていたことが.低酸素からの心停止です!救命士さんたちと速やかに心肺蘇生開始.良質な胸骨圧迫,気管挿管,薬剤投与.無事に心拍再開.状態的にTECCMCへの搬送が適切と判断し,ヘリは来た空路を戻ります.

ICUで呼吸管理,CHDF,脳代謝管理を行い,夕方には覚醒され呼吸状態も安定されました.

☆ドクターヘリ2件目 乳児心肺停止

1件目の搬送中に要請です.1件目の患者さんをヘリポートで引き継ぎ,山邊先生は引き継ぎと治療継続のためそのまま初療へ.小林,清水看護師が離陸です.2 flight doctor制を有効に活用します.

「乳児,意識無し.」との情報.現着後の救急隊の追加情報を待ちながらフライトします.ランデブーポイント着陸直前に追加情報です.「CPA, CPA. CPR中!」 

JA822Hドクターヘリはシャーベット状の雪が積もったグラウンドに静かに着陸.雪の上のバスクリンはよく目立ちます.


直後に救急車到着,車内で治療開始です.救急隊は気道管理と良質な胸骨圧迫.我々はIOIにての輸液路確保と薬剤投与.そしてヘリ搬送を考え気管挿管です.PEAの状態ですが,徐々に脈拍数は上昇しています.心拍再開の可能性もあります.ヘリ搬送中のCPRを考え,患児を抱きかかえ片手での胸骨圧迫を行いながら雪のグラウンドをヘリに向かいます.呼吸管理は救命士.顔の見える関係では阿吽の呼吸です.そして,機内へ.小林は無心に胸骨圧迫を,呼吸管理,薬剤投与,時間管理は清水看護師です.ヘッドセットを通した会話は無くとも,型どおりのCPRが行われます.多職種間でのプロトコールの認識,病院前救急診療では非常に重要なことです.

数分のフライトでTECCMC搬入.救急医と共に小児科の先生方も治療に加わります.そして,「心拍再開!」ドクターヘリによる早期医療介入と多職種間の連携が小さな命をつなぎ止めた事案です.

☆ドクターヘリ3件目 突然の意識障害

2件目を搬入した直後に要請です.小児科の先生方に引き継ぎを行い,小林,1件目の治療を一段落させた山邊先生,資機材の準備を慌ただしく終えた清水看護師はヘリポートまで走ります.「ちょっと〜,山邊先生!一つくらい持ってよ〜!!」トーマスバッグ成人用,小児用などなどを抱えた清水看護師の悲痛な叫びがこだまします.

連続出動で給油を終えたJA822Hドクターヘリは三度離陸.「突然の意識障害.」との情報.現場は市街地からほど遠い雪深き場所.ランデブーポイントのグラウンドは消防の皆様により圧雪が試みられていました.しかし,雪質から水たまり状態になっており,積雪時対応をまた一つ学びました.


ランデブーポイントで救急車の到着を待ち,そして診療開始.気管挿管,オートパルス装着.厳しい状況ではありますが,かかりつけの直近病院へヘリ搬送です.救急車なら20分以上かかるところを5分もかからず到着です.早期医療介入と搬送時間の短縮といったどくたーヘリの有用性は発揮されました.

☆ドクターヘリ4件目 低体温・意識障害

溜まった記録,カルテを書き終えた良いタイミングでの要請です.「呼びかけても反応が乏しい.」との情報です.ヘリは数分で現場上空へ.救急車はまだ現場到着していません.しかし,現場直近は積雪で真っ白.着陸は不可能です.そこで,ランデブーポイントに支援車の到着を待って着陸,支援車で現場投入のプランとします.ランデブーポイントのグラウンドもやはり積雪で真っ白.20〜30cm程度の積雪とのこと.


雪質と3件目の反省をふまえ,圧雪せず着陸です.シャーベット状の雪は舞い上がらず,スノーシューの威力も絶大,安定した状態で踏ん張っています.


定員の関係で山邊先生,清水看護師が支援車で現場へ.残った小林,他のスタッフは患者さんの搬入に向けヘリ回り,ヘリまでの経路を雪かきです.すると関係者の方が除雪機を持ってきてくださったり,雪かきを手伝ってくださったり・・・ありがたいことです.大変助かりました.本当にありがとうございました.


雪かきも完了したところで,山邊先生達同乗の救急車が到着.低体温,徐脈,循環不全の患者さんです.ここからならTECCMCまで数分.救急車で行くよりも断然早く有効な復温も可能です.雪かきしたての道を患者さんはドクターヘリ内へ.暖かな機内から暖かな初療へ.治療は引き継がれます.



冬期運航になってあらためて,消防の皆様はもとより,多くの方々のご協力に感謝申し上げます.


さて,会議に出て手術2件して夜勤です.明日も天気もつかなあ・・・